2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of an interdisciplinary support program for children with chronic illness considering cultural differences between education and health care
Project/Area Number |
18K10483
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Research Institution | Shumei University |
Principal Investigator |
飯村 直子 秀明大学, 看護学部, 教授 (80277889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金丸 友 秀明大学, 看護学部, 講師 (20400814)
吉野 純 杏林大学, 保健学部, 教授 (50269461)
西田 志穗 共立女子大学, 看護学部, 教授 (60409802)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 慢性疾患の子ども / 学校 / 文化 / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
「慢性疾患の子どもたちの安全で充実した学校生活の実現のために、学校と医療の文化的考察を踏まえた新しい連携プログラムを開発する」ことを目的とした研究の初年度にあたり、分担研究者らとともに「学校という文化における子どもの健康のとらえ方、守り方」および「慢性疾患の子どもの学校生活」について、文献検討を実施し、その現状と課題を検討した。その結果、学校では養護教諭を中心に、担任教師らが日々子どもの健康を捉え、守っていたが、学校には「病気の子どもには無理をさせないこと」、「子どもの社会参加は病気が治ってから」という考えが根強くあり、慢性疾患の子どもが安全で充実した学校生活を送るための支援体制は乏しく、緊急時の実践等に課題があった。特に担任教諭は教員養成課程やその後の研修でも、子どもの病気や支援方法について学ぶ機会は少なく、日々試行錯誤を繰り返しながら慢性疾患の子どもたちに対応していた。慢性疾患の子どもたちの学校生活を支えるためには、子どもと家族、学校関係者、医療の連携が望まれるが、三者の間には壁があり、特に医療と学校との連携に関しては、長期入院後の復学支援時に限られており、現状では継続的な連携はあまり進んでいないことが明らかになった。学校と医療、地域が共有可能な仕組みや具体的な方法の検討が急務であることが明らかになった。これらの検討を踏まえ、次年度に実施するフィールワークに向けた具体的な計画を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「学校という文化における子どもの健康のとらえ方、守り方」および「慢性疾患の子どもの学校生活」について、文献検討を実施し、その現状と課題を検討した。また、次年度に実施する現状調査に向けた調査内容の検討及び調査の準備についておおむね実施することができた。調査についての研究計画書、資料等を作成し、分担研究者が所属する大学の研究倫理委員会に倫理審査を申請し、承認された。
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Strategy for Future Research Activity |
文献検討の結果については、2019年6月に第66回日本小児保健協会学術集会(東京都)において発表する予定である。また、文献検討を踏まえ、①慢性疾患の子どもにかかわる小学校、中学校、②慢性疾患の子どもの保護者が所属する親の会、③子どもが通院する小児科外来およびクリニックで調査を実施する予定である。 分担研究者の所属大学の研究倫理委員会の承認を得て、研究代表者1名、分担研究者3名、研究協力者2名、合計6名の研究者を3つのグループに分け、それぞれ①慢性疾患の子どもに関わる小学校、中学校の教諭、②慢性疾患の子どもと親、③子どもが通院する医療機関の医療者を対象に、インタビューを中心としたフィールドワークを行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 研究テーマに関連した専門的知識を有する研究者に、研究協力者として加わってもらったため、外部からエキスパートを招く必要がなく、謝金の支出を抑えることができた。また、分担研究者、研究協力者がすべて関東圏を中心に活動しており、会議の交通費を少額に抑えることができた。さらに分担研究者の一人が会議室を無償で提供してくれたため、会議費等を削減することができた。 (使用計画) インタビュー調査を中心としたフィールドワークの実施に関連した諸経費、文献検討の結果発表のための学会参加費、旅費等に使用する。また、小児の慢性疾患や学校保健に関連した学会にも参加し、慢性疾患の子どもの学校生活に関連した情報を収集したり、意見交換をしたりするための旅費としても使用する予定である。
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