2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of Guidelines for the Pediatric Emergency Nursing Practice Based on the Primary Care Perspective
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18K10485
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
西田 志穗 共立女子大学, 看護学部, 教授 (60409802)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小児救急看護 / 小児救急外来 / 養育支援 / 虐待対応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小児プライマリケアの視点にもとづく小児救急看護実践ガイドの開発を行うことである。救急外来では、身体的な緊急度をもとにして治療の優先度を決定するために、「緊急度判定支援システム」(以下、JTASとする)によるトリアージが機能している。しかし、養育に課題がある場合の判定は困難なため、JTASとは別に、子どもの育ちや家族の養育状況を判断する実践の構築が不可欠である。 開発のプロセスは、まず2つのガイドを作成し、次にパイロットスタディを経て両ガイドを連動させ、統合した実践ガイドとして機能するものとする。 小児救急外来のトリアージでの子どもの家庭状況や親の育児状況の情報の引き出し方について、看護師の視点をまとめた。①トリアージ室での親子の「準備していない言動」から普段の様子を推察、②トリアージ後の再評価に必要な情報をとらえる、③自然な会話の中にキーワードを入れて話題を引き出す、④「気になった」という感覚を共有、⑤子どもの発達段階と親の接し方の整合性や妥当性をみる、⑥子どもが安寧を得られているか、をみていた。 また、救急外来を受診する子どもと家族の状況と、それらに対する看護の実際について文献検討を行った。子どもの受診理由はよくある軽症症状が多く、トリアージレベルの過半数は非緊急・準々緊急をしめ、診察・薬剤処方のみで帰宅できていた。受診と母親の不安は関連があり、育児不安が高いほど救急受診歴の割合は優位に高かった。看護師は、子どもの見た目やう歯の多さなど受診理由以外の情報をアセスメントし虐待を疑っていた。家族に対しては、不安や疲労に対する支援や家庭での対処に関する指導も行っていた。看護師は「救命最優先」の考えをもつ反面、受診理由以外の情報から虐待を疑う視点を持って実践していた。 これらの結果を統合し、ガイドを構築する柱を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
具体的なパイロット研究を展開できる施設の選定と実施の条件について調整に手間取っている。 新型コロナウイルス感染症の蔓延により、臨床での研究遂行が困難になっており、当初計画からの変更を余儀なくされている。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな研究協力者を加え、研究遂行のスピードを上げている。 パイロット研究の方法について、新型コロナウイルス感染症に関連する規制などとの調整を図りつつ、当初予定の成果が挙げられるような方策の修正を行って実施していく。
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Causes of Carryover |
備品の購入ができなかったことにより大きな額が残った。分析に使用する予定のパソコン購入だったが、データを分散する必要がなかったことで購入を見合わせた。 パイロット研究の方法に修正を要する可能性があり、費用を充填する。
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