医療的ケアを必要とする子どもと家族への高度実践看護ケアガイドラインの開発

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K10489
• Research Institution: Bunkyo Gakuin University
• Principal Investigator: 染谷 奈々子 文京学院大学, 保健医療技術学部, 准教授 (80759845)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 池添 志乃 高知県立大学, 看護学部, 教授 (20347652) ; 中野 綾美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (90172361)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 高度看護実践 / 医療的ケア / 子どもと家族 / ケアとキュアの融合 / 小児看護専門看護師

Outline of Annual Research Achievements

本研究は小児看護専門看護師が行う高度実践看護に注目し、「医療的ケアを必要とする子どもと家族へのケアとキュアを融合した高度実践看護ケアガイドライン」の開発を目的としている。
令和3（2021）年度は、医療的ケアを必要とする子どもと家族へのケアとキュアを融合した小児看護CNSの高度実践看護の範例となる事例の解釈、テーマ分析、共通性、相違点を読み手が認識できるように、ケアの視点、キュアの視点、融合の仕方、その結果を記述する分析の洗練を目標としていた。また、ケアとキュアを融合した小児看護専門看護師の高度実践看護を貫く柱、構造あるいはストーリーラインを見出すための分析を進め、医療的ケアを必要とする子どもと家族へのケアとキュアを融合した高度実践看護の構造化を目指していたが、実施することが難しかった。
オンラインでの開催が主流となった専門学会の学術集会や研修会への参加を行い、医療的ケアを必要とする子どもと家族を取り巻く医療や制度の現状の情報を収集した。その結果、在宅への移行支援を必要としている子どもの増加、病院や自宅以外で社会生活を安全に送るための支援の必要性、感染症の蔓延に伴う受診控えやデイケア中止等を経験した子どもと家族の現状があり、切れ目のない支援体制構築に関する課題が見いだされた。また、ケアとキュアを融合した高度実践看護の分析の記述を熟読して、より深い文脈から見えてくることを明らかにして、各ケースから導き出されるサブテーマを整理する分析の洗練化を継続している。現在、必要な医療的ケアを確実に実施できる子どもと家族の支援体制をつくり、子どもが生きていく力をつけながら活動の幅を広げるなどのケアとキュアを融合した高度実践看護が見いだされており、今後さらに分析を進め、ケアガイドラインの開発につなげていく。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウイルスに関する対応および業務の優先度の兼ね合い等により研究に取り組む時間を確保することが難しく、当初予定していた分析を進めることができなかった。

Strategy for Future Research Activity

新型コロナウイルス感染症の感染拡大が落ち着いてくることに伴い、オンラインと事務的補助に関する環境を整えて研究を推進していく。研究時間を予定よりも増やし、分析、文献検討が行えるようにして研究目標を達成していく。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた主な理由は、新型コロナウイルス感染症に伴う社会情勢及び研究者所属の業務との兼ね合いに関連して想定よりも 分析会の回数が想定よりも大幅に少なくなり、分析会の開催方法はオンラインまたはメールを活用する回数が増えたために旅費使用額が予定よりも大幅に削減されたことである。また、研究協力者へのアクセスは研究期間の延長に関する郵送連絡のみであったこと、最新の文献収集と国外を含めた書籍が未購入であること、事務的書類対応等の補助の依頼にも限界があったことも理由として挙げられる。
令和4年度は分析効率を高めるために、研究者が計画的に間隔を空けずに分析会を重ねることが望ましい。また、対面の分析会の実施に伴う交通費の支出として使用を予定する。本研究に臨む時間の確保と分析の遅延を防ぐための研究者自身の自律に加え、進行と精度高めるための必要な方策として必要な機器、書籍の購入、不足分の海外文献の収集や事務的書類対応等の補助に人件費の使用を計画して実施する。