2018 Fiscal Year Research-status Report
JNCASTを基に開発した「不妊治療後母子相互作用促進プログラム」の有用性検証
Project/Area Number |
18K10494
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Research Institution | Otemae University |
Principal Investigator |
斉藤 雅子 大手前大学, 現代社会学部, 教授 (80511617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 裕子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 准教授 (00637803)
長尾 嘉子 常葉大学, 健康科学部, 教授 (10532963)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不妊治療 / 産後1ヵ月 / 初産 / JNCAST / インタビュー調査 / パイロット研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は,2014年度~2017年度の科研費・基盤研究(C)(課題番号:26463440)において,JNCASTを基に開発した「不妊治療後母子相互作用促進プログラム」をパイロット研究で実施した結果,介入した不妊治療後の母子は,介入前より介入後の産後1ヵ月の母子相互作用が高いこと,非介入群の不妊治療後母親の産後1ヵ月の母子相互作用と比較して,介入群が高いことから,本プログラムの実施可能性が考えられた。したがって,2018年度の目的は,本プログラムに参加した母親にインタビューを実施し て,プログラムに必要なケアへの示唆を得ることであった。 対象者はパイロット研究に参加した産後1ヵ月の初産母親9名で,半構成的面接法で,期待するプログラム内容とプログラムの有用性をインタビューした。データは,研究代表者と研究分担者で,内容分析によるコーディングからカテゴリー化を行った。大手前大学倫理委員会承認(20180910-倫理10)を得てから,調査を実施した。 期待するプログラム内容は,5カテゴリー〔プログラムの満足〕〔適切な介入時期〕〔効果的な教材〕〔効果的で適正なプログラム内容〕〔専門家からの育児支援の必要性〕で,プログラムの有用性は,7カテゴリー〔児の合図読み取りによる育児への適応〕〔児の認知発達への積極的な関わり〕〔字の情緒的発達への積極的な関わり〕〔母子相互作用促進への継続的な関わり〕〔母親役割の獲得〕〔自己肯定感の高まり〕〔児へのポジティブ感情変化〕であった。 母親は,育児支援専門家が適切な時期,効果的で適正な内容・教材からのプログラムを期待しており,プログラム参加後は,育児の行動変容による母親役割獲得や肯定的感情が示唆された。今後はプログラムの検討から改善を行い,本プログラムを長期的に実施していくこととなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,2018年度より開始し,2020年度終了を予定にしている。2018年度は,パイロット研究の評価で,インタビュー調査からプログラムの内容に関する示唆や課題を明らかにし,プログラムの改善を行うことであった。また,2018年度~2019年初頭にかけて,研究協力施設の看護者を対象にJNCAST講習会の開催を終えており,国際認定看護者9名の育成を行った。現在は,プログラムの再検討を行っている。 以上より,当初の計画通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度前半は,プログラムの検討および改善行い,後半は,より良く改善した「不妊治療後母子相互作用促進プログラム」をJNCAST国際認定看護者9名とともに,2020年度まで実施する。 2020年度は,プログラムの実施と介入効果の評価および有用性の検証を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度は,パイロット研究に参加した母親へインタビュ調査と研究協力施設の看護者を対象にJNCAST講習会の準備および開催を計画していた。しかしながら,年度末にJNCAST講習会の開催が難しく,2019年度4月へ変更になった。そのため,開催に必要な経費を使用しなかったため,次年度に使用額が生じた。
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Research Products
(2 results)