2019 Fiscal Year Research-status Report
心拍変動からみた重症心身障害児の自律神経機能の発達に関する研究
Project/Area Number |
18K10497
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
松井 学洋 関西学院大学, 教育学部, 助教 (70549211)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 哲 神戸大学, 保健学研究科, 名誉教授 (10216658)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 重症心身障害児 / 定型発達児 / 自律神経機能 / 心拍変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、重症心身障害児(以下、重症児)の自律神経機能の発達過程とその影響因子を定量的・縦断的に解明し、必要な看護援助を明らかにしようというものである。 2019年度は、測定手技と評価方法の標準化を目指し、幼児期の定型発達児を対象に3日間、ActiHR4(CamNtech社製、イギリス)による心拍変動の測定を実施した。ヒトの自律神経機能の評価方法の一つとして、心拍間隔の時間的な変動を解析する手法がある。心拍変動をスペクトル解析すると3つの大きな構成要素が現れ、0.15~0.40Hzの周波数成分をhigh frequency (HF)と呼び、副交感神経活動を示す指標と考えられている。一方、0.04~0.15Hzの周波数成分はlow frequency (LF)と呼ばれ、副交感神経活動と交感神経活動の両方を示す指標とされている。また、LF/HFはLFとHFの比であり、交感神経活動を示す指標と考えられている。記録された定型発達児の3日間の心拍変動を専用ソフトActiheart softwareにてスペクトル解析を行い、LF、HF、LF/HFを算出した。また、年齢、性別による差、生活習慣が日内変動に与える影響について現在解析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
対象児の選定及び研究依頼に時間がかかった。また、新型コロナウィルス感染症の拡大により、データ収集を実施できない状況となったため予定に遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度、重症児については総合療育センターの協力を得ることができ、外来利用者を中心に研究依頼及びデータ収集を進める予定である。筋緊張・麻痺のタイプ、服薬の有無、てんかんの有無、合併症の有無、医療的ケアの有無といった個別の因子と自律神経機能の関連性について調査する予定である。 一方、新型コロナウィルス感染症の拡大により、現時点では直接対象児と家族に会い、口頭による研究依頼を行うことが困難な状況である。データ収集を再開できる見通しが立たない状況であるが、研究に関する説明と依頼はWeb会議システムで行うことや、測定機器を郵送で送るなどの方法を検討している。
|
Causes of Carryover |
予算執行については概ね計画通りに進んでいると考えるが、12月末以降、研究依頼、データ収集、出張がほとんど行えなかったことから、執行予定金額との間に差異が生じた。残額については、次年度の研究計画に従い執行する予定である。
|
Research Products
(2 results)