2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K10499
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鈴木 圭子 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (10341736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 美奈加 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (10461716)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢者 / 精神的健康 / 口腔機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢期には身体的健康のみならず精神的な健康問題を抱えやすい。60歳代の地域住民を対象に行った無記名の質問紙調査結果から以下の結果を得た。対象者の精神的健康には、身体的健康状態、ソーシャルサポート、援助要請・非援助志向性が有意に関連していた。性別に行った多変量解析の結果では、男女ともに健康状態が共通して関連していたが性別による違いがあった。女性では身体的健康状態よりソーシャルサポートが精神的健康度により強く関連しており、男性では相談することに伴う自己評価の低下がソーシャルサポートより精神的健康に関連が強かった。男性においては他者への相談は自己評価の低下となり援助要請の抑制要因となること、精神的不健康にある場合には他者への相談を自己評価の低下と潜在的に受けとめやすいことが考えられた。ソーシャルサポートは特に女性において精神的不健康の緩衝要因であることが示唆された。日常的な交流が支援要請の前提となりやすい家族・親戚や友人などの他、日常の関係性に関係なく利用できる相談機関の啓蒙や、利用しやすさを一層考慮する必要性が示唆された。 有料老人ホーム及びケアハウス入居中の要支援・軽度要介護高齢者を対象に精神的健康と口腔機能に関する調査を開始した。調査内容は、舌圧、反復唾液嚥下テスト(RSST)、オーラルディアドコキネシス(ODK)、老年期うつ病評価尺度(GDS15)、機能的自立度評価(FIM)等とし、26名の対象から協力が得られた。舌圧とGDSに弱い負の相関、舌圧とFIM、ODKとFIMに弱い正の相関があった。口腔機能にはADLの他、抑うつが関係する可能性が考えられた。今後、対象者を増やし、調査を継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢者の精神的健康に関する質問紙調査から結果を分析したこと、また、研究倫理審査を経て高齢者の精神的健康と口腔機能に関する調査を開始したため。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の感染拡大予防のため現在調査を見合わせているが、可能になり次第、再開予定である。その間は文献検討により研究を進めたい。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大防止のため調査及び出張を見合わせたことで、次年度使用額が生じた。 使用計画:研究課題遂行に必要な物品代と協力者への謝礼に使用予定である。
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Research Products
(3 results)