2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K10499
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鈴木 圭子 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (10341736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 美奈加 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (10461716)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者 / 気分 / 主観的健康感 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢期における転倒は、要介護の要因となるのみならず、骨折を合併しなくても転倒不安感から活動量の低下や活動範囲の縮小させる可能性がある。 本研究では、要支援・要介護認定を受けていないA県の地域在住高齢者を対象とした調査結果から転倒経験のある者の特徴を分析した。本研究対象者において、過去1年に転倒経験が1回ある者は約2割、2回以上ある者は1割弱であった。性・年齢別による転倒経験に有意差はなかった。転倒経験のある者はない者に比較し、老研式活動能力指標の3領域(手段的自立、知的能動性、社会的役割)いずれも低く、ソーシャルサポート・ネットワーク得点が低い、経済状態が良くない、聴力の低下あり、主観的健康感が低い、心の健康状態が良くないという特徴があった。性・年齢を調整した多重ロジスティック回帰分析の結果、転倒経験に強く関連していた要因は、活動能力、聴力、心の健康状態であった。これらは高齢者における転倒予防の視点となり得る。 また、地域在住高齢者を対象とした調査から、転倒に対する不安感と腰痛の関連性を分析した。分析項目は、疾患特異的・患者立脚型慢性腰痛症患者機能評価尺度(JLEQ)、過去1年間の転倒の有無、転倒不安感(転倒不安感尺度)とした。その結果、転倒経験のある者に有意に転倒不安感が強く、腰痛の強さと転倒不安感は有意に関連していた。腰痛は我が国の高齢者においてもっとも有訴者率が高い症状である。腰痛のある高齢者に対する転倒不安低減に寄与するプログラムの必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大防止のため一部の調査が遅延したが,調査の企画と得られた調査結果の分析が可能となったため.
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Strategy for Future Research Activity |
企画及び実施中の調査について更に解析を進めると共に,研究結果の公表を行う予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大防止のため調査の一部と成果公表のための出張を見合わせたことで,次年度使用額が生じた. 使用計画:調査実施と分析に必要な経費と研究結果公表のための費用に使用予定である.
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Research Products
(2 results)