2018 Fiscal Year Research-status Report
スマートフォンを用いた生活歩行測定による軽度認知障害のセルフチェック方法の開発
Project/Area Number |
18K10500
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山上 徹也 群馬大学, 大学院保健学研究科, 准教授 (60505816)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 繁弥 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 助教 (80779942)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 軽度認知障害 / 歩行 / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
生活中の歩行評価方法として確立されたものはない。本研究では市販のスマートフォン (スマホ)の健康関連アプリを用い、生活歩行を評価した。評価の信頼性を確認する目的で、健常学生12名(平均年齢21.3歳、男性2名、女性10名)にスマホと活動量計 (ライフコーダ;スズケン社)の両方を着用し1週間測定した。その結果スマホで計測した歩数とライフコーダの歩数はr=0.928, p<0.001と高い相関を認め、スマホでも歩行評価が可能と判断した。 次に健常とMCIの生活歩行の違いを検討する目的で、A市の心身機能測定事業に参加した地域在住高齢者29名 (平均年齢74.1±2.7歳、男性9名、女性20名)を対象に基本情報、認知機能 (ファイブコグ)、QOL (Short form-8; SF-8)、うつ (Geriatric depression scale)、生活範囲 (Life-space assessment)、身体機能 (5m最速歩行等)、生活歩行を評価した。なお5m最速歩行はシート式下肢加重計 (ウォークway MW-1000 アニマ社)を用いた。生活歩行の測定は2週間とし、入浴・就寝中以外は可能なかぎりスマホを携帯することとした。ファイブコグの結果に基づき、健常22名、MCI7名で、各評価結果の違いを検討した。その結果、SF-8の精神的健康のサマリースコアが健常52.0±4.4点に対して、MCIでは46.9±7.8点と有意に低下していた (p=0.038)。また生活歩行速度が健常19.8±9.6m/分に対して、MCIは16.0±8.3m/分と遅延傾向にあった (p=0.10)。その他の項目に有意差を認めなかった。MCIでは精神的健康観が低下し、生活歩行速度が低下する可能性が示された。5m最速歩行は有意差を認めておらず、生活歩行評価が有効である可能性が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は29名に評価を実施した。横断調査の目標症例数が2年で200名であり、現状の達成率は約15%である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度研究のプロトコールができたため、来年度は、より多くの対象者に評価が可能と考えている
|
Causes of Carryover |
購入を予定していた運動機能測定システムがKinectを使用しており、Kinectの生産中止に伴い、販売中止となった。類似商品で販売を継続している商品があるが、やはりKinectを使用しており、次年度購入するか検討している
|