2020 Fiscal Year Research-status Report
スマートフォンを用いた生活歩行測定による軽度認知障害のセルフチェック方法の開発
Project/Area Number |
18K10500
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山上 徹也 群馬大学, 大学院保健学研究科, 准教授 (60505816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 繁弥 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 助教 (80779942)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症予防 / 軽度認知障害 / 生活歩行 / ウエアラブルデバイス / 地域 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はコロナウイルスの感染拡大により追跡調査が実施できななかったため、本研究に関連するデータの解析を実施した。地域在住高齢者151名 (平均年齢75.3±5.3歳、男性45名、女性106名)を対象にファイブコグ、Short form-8 (SF-8)、Life-Space Assessment (LSA)、Geriatric depression scale (GDS-15)、シート式下肢加重計 ウォークWay (MW-1000、アニマ)を用いた5m最速歩行評価 (速度、ストライド、歩行率の平均値と変動係数)を実施した。また、対象者はiPod-touch (v10.3.1、Apple)を1週間携帯してもらい、ヘルスケアアプリを用いて日常生活の歩行評価 (歩行速度、歩幅、歩行率の平均値と最大・最小値)を実施した。ファイブコグの総合ランク得点が15点 (健常)100名と11~14点 (AACD)51名で各評価結果を比較した。その結果、両群で基本情報 (年齢、性別、身長、体重、教育歴)、SF-8、LSA、GDS-15に有意差を認めなかった。5m最速歩行のスライドの変動係数は健常群2.04±1.26、AACD群2.89±1.86とAACD群で有意に大きかった (p<0.01)。一方、他の項目は有意差を認めなかった。日常生活の最大歩行速度は健常群71.0±14.0m/min、AACD群68.0±13.1m/minとAACD群で有意に低かった (p<0.021)。一方、他の項目は有意差を認めなかった。5m最速歩行のストライドの変動係数と日常生活の最大歩行速度はρ=-0.263 (p=0.01)で弱い負の相関を認めた。以上より軽度認知障害者では日常生活中の最大歩行速度が低下する可能性があり、継続的な日常生活の歩行評価は、軽度認知障害のスクリーニングにつながる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルスの感染拡大に伴い、研究対象としていた地域在住高齢者が参加する住民主体の通いの場が、活動中止となり、そのため本年度、追跡調査を実施できなかった。なお通いの場の運営を支援している行政とは継続して連携しており、コロナウイルスの感染状況が落ち着けば、追跡調査を実施できることになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルスの感染状況とそれに伴う、地域活動の状況を見極めながら、臨機応変に研究計画を変更しながら対応していきたい。コロナのワクチン接種が進めば、研究を再開できる可能性がある
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大に伴い、予定していた追跡調査が実施できなかったため、調査費用の支出がなくなった
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Research Products
(5 results)