2018 Fiscal Year Research-status Report
「介護安全」のための職種特性を活かした連携安全力の測定と教育実践
Project/Area Number |
18K10505
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山本 恵美子 宮崎大学, 医学部, 講師 (50464128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 共子 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (40227153)
畠中 香織 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40756227)
兵藤 好美 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (90151555)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 介護施設 / 医療安全 / 看護師 / 介護士 / 住宅宅型有料老人ホーム / 他職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、看護師,管理者,介護士の3職域ごとの視点から、利用者が安全に生活するための要素を明らかにすることであった。また、日本の社会文化に適した 介護施設の安全のための研修試行を目指すものである。 本年度の目標は、住宅型有料老人ホームの看護師,管理者,介護士の3職域の視点から、利用者が安全に生活するための要素を明らかにすることであった。安全対策の現状について文献検討を実施した。医学中央雑誌を用いて、「介護施設」、「安全」のキーワードで論文数255件を抽出し、その内、入手可能な論文91件を分析した。分析は、①介護施設の安全特性を明確にする目的でKJ法により分類した。②介護施設の安全に関する内容を概括するために、各論文タイトルに含まれる用語を用いて計量テキスト分析を行った。この2つのアプローチにより、介護施設の安全を扱う種々の範囲や医療安全と共通した事項について考察することが可能となり、安全を支える構成要素の現況を複眼的に掌握することができると考えた。 その結果、KJ法により9つのカテゴリーに分類された。「事故の実態調査、日常生活援助のケア、服薬支援、転倒防止、感染、災害」の6つは、医療機関の研究動向と類似していた。介護施設の特徴は、「権利擁護、職員の腰痛防止、各職種の役割認知と協働」の3つであった。また、計量テキスト分析では、「介護施設で求められるケア特性」、「多職種間連携における業務課題」、「コスト・マネジメント」の3つに集約された。介護施設の安全の構成要素を考えるには、「権利擁護、職員の腰痛防止、各職種の役割認知と協働」の特徴があり、「介護施設で求められるケア特性、多職種間連携における業務課題、コスト・マネジメント」の3要素を含め、総合的に安全対策を進める必要性が示された。これらの研究をふまえ、面接調整を実施し分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目標は、看護師,管理者,介護士の3職域ごとの視点から、利用者が安全に生活するための要素を明らかにすることであった。H30年度は、文献検討による安全に関する構成要素は抽出できた。しかし、3職種の視点から、安全に生活するための構成要素の抽出は、現在、データ収集、及び分析中である。介護分野の人材不足の影響があり、面接の日程や時間確保に調整が必要な状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の実施予定として、3職種の利用者に関する安全に関わる視点を抽出する。さらに、介護施設の3職種が連携して取組む安全力の要素を抽出する。看護師・管理者・介護士の各職種をメンバーとし、職種合同でフォーカスグループインタビューを実施する。連携の取組みについて聞きとり、要因分析とフロー分析を行う。分析は、行為者と時間経過を合わせた質的分析で立体的に複合安全力を解明する予定である。
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Causes of Carryover |
面接調査が目的数に達していないため、データ入力の予算が次年度使用額として生じている。今後、面接調査を計画的に進め予算執行を行う予定である。
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Research Products
(1 results)