2022 Fiscal Year Research-status Report
「介護安全」のための職種特性を活かした連携安全力の測定と教育実践
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18K10505
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
山本 恵美子 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (50464128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 共子 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (40227153)
畠中 香織 梅花女子大学, 看護保健学部, 准教授 (40756227)
兵藤 好美 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (90151555) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多職種連携 / 介護施設 / 安全 / 感謝 / 看護師 / 介護士 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の全体構想は,看護師,管理者,介護士の3職域ごとの視点から、利用者が安全に生活するための要素を明らかにし,日本の社会文化に適した「介護施設の安全力測定ツール」を作成し、 介護施設の安全のための研修試行を目指すものである。 2022年度は,管理者, 看護師、介護士の三職域の視点からフォーカスグループインタビュー(FGI),看護師,介護士のオンライン面接,看護小規模多機能施設を対象に質問紙調査を実施した。 面接調査から,両職種が相互に専門性を活かしながら協働して安全を守る取り組みにおいては,話しやすい職場環境の構築と円滑な情報共有への意識的な努力がある。それが役割分担を円滑に進める下地になると考えられる。そのような職場では、介護士による気づきが看護師への相談に繋がり,続いて看護師による即時対応が実施されれば、利用者の安全を守る取組みが進む。さらに看護師が分かりやすい説明を工夫し,介護職からの提案に感謝する行動が伴えば,介護士からの相談がさらに促されて、好循環に至るという示唆を得た。こうして双方の専門性を活かし、相互に役立つ情報を共有し、協働して安全の向上に取り組む構図が示唆された。 加えて,キーワードとして抽出された「感謝」の概念に着目し,看護小規模多機能施設の介護職を対象に,質問紙調査を行った結果,上司による変革型リーダーシップの発揮を介護職が高く評価している職場では、仕事や職場環境への感謝が高まっており、それがチーム一体となった協働的な介護の取り組みを促している。こうした感謝と協働は、介護職のワーク・エンゲイジメントを高めていることへの示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに抽出した介護安全力の要素から得られた知見をもとに,高齢者施設を対象としたフォーカスグループインタビュー調査,介護士,看護師のオンライン面接を実施することができた。加えて,面接調査から抽出された,「感謝」の概念に着目し,医療と介護のニーズを必要とする利用者をケアする看護小規模多機能施設の介護士を対象に質問紙調査へと展開することができた。国内/海外(オンライン)での学会発表の機会を持つことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、介護施設への質問紙調査を行い,「介護施設で連携しながら取組む介護安全力の測定ツールの開発」を目指す予定である。また,介護施設の安全のための研修プログラムの開発の試作を目指し,適正な研究費の使用に努める。
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Causes of Carryover |
国内外の学会出張がなくなりオンラインでの参加となったため、旅費を中心に残額が生じた。ウエブを用いた調査や、今後の海外での成果発表で活かしていく。
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Research Products
(2 results)