2022 Fiscal Year Annual Research Report
Physical assessment skills programme using ultrasound equipment for home care nurses.
Project/Area Number |
18K10506
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
志田 淳子 山形大学, 医学部, 准教授 (30530654)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 客観的指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、訪問看護師を対象にしたエコーを活用したフィジカルアセスメント技術習得プログラムを開発することである。これまで、訪問看護師を対象に研修を実施し、エコーの操作経験がない看護師であっても基本的な技術習得が可能であることを確認した。一方で、エコーによって得られた可視化された身体内部の情報を活かして適切な看護を行うには、訪問看護師が解剖生理学の知識に基づきデータを解釈し、かつ心身状態をはじめとする療養者の多様な情報と関連づけて思考できる基盤強化が求められるという新たな課題が顕在化した。また、エコーの活用により、在宅において即時に、非侵襲的に訪問看護師が取得できる客観的指標は増えたものの、依然として活用できる客観的指標に乏しく、経験や勘に頼らざるを得ない課題が浮き彫りになった。そこで、研究者等は体水分量をはじめとする身体組成成分を即時に分析できる身体組成分析装置(体組成計)に着目した。そして、新たな客観的指標(エコー、体組成計)を用いた訪問看護師によるフィジカルアセスメントの臨床的意義を検証する内容に計画を発展修正させることとした。 今年度は倫理審査委員会の承認を受け、心筋梗塞発症後の80歳代の高齢男性について、体組成計にて測定した体脂肪率、細胞内液・外液量等、体重、バイタルサインズ、各種検査データを含む診療録の情報、および本人または家族より聴取した生活上のエピソードを概ね2週間~1か月ごとに継続的にフォローした。その結果、従来の血液検査や体重の変化のみでは捉えきれなかった筋肉量の増加を確認でき、結果を本人や家族にフィードバックすることで運動療法や栄養療法のモチベーション維持につながることが示された。 以上のことから、新たな客観的指標をアセスメントに加えることで看護師の臨床判断の精度が高まるとともに、患者・家族に対する支援の質が向上する可能性が示された。
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