2020 Fiscal Year Annual Research Report
フレイル高齢者における尿失禁リスクの検討と多職種間連携による予防法の構築
Project/Area Number |
18K10511
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
窪田 泰江 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00381830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 裕也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 臨床研究医 (20814255)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
濱川 隆 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (40595394)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 尿失禁調査 / 在宅医療 / 排尿管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的:本研究は、社会の高齢化とともに頻度が増加している、フレイルと高齢者における尿失禁のリスクを検討し、他職種間連携によりその予防法を構築することを目的とする。方法:研究1:コロナの影響により、高齢者施設への出入りができなったため、尿失禁調査をwebを用いたアンケート調査として30代以上の男女2500名で実施した。排泄に関する悩みの有無や過活動膀胱の有病率についても年代別に調査でき、郵送による調査と異なり回収率100%であった。研究2:在宅における排尿管理の現状やトラブルの内容を把握し、在宅医療に至る前の病院での排尿管理計画との関係性について検討した。 結果・考察:研究1:排泄に関する悩みがあるのは全体の44%であり、そのうち頻尿が最も多く23.8%、夜間頻尿が17.3%であった。過活動膀胱の有病率は13.6%で、これまでの疫学調査とほぼ同様の結果であった。過活動膀胱の認知度については、全く知らないと回答した方が41%であり、テレビの健康番組などでも啓蒙活動が行われているものの、まだ認知度が低い疾患であることがわかった。コロナの影響で外出が減った方が多く、運動不足からフレイルを引き起こす場合もあるため、適切な生活指導が重要と考えられた。研究2:患者の平均年齢は79.5歳±16.0歳で、男性105名、女性134名であった。排尿管理は、自立;99名、間歇自己導尿;7名、オムツ内排尿と自排尿;46名、オムツ内排尿のみ;60名、尿道カテーテル留置;22名、膀胱瘻留置;5名であった。尿路に関するトラブルは、4か月間で尿路感染症、カテーテル閉塞、カテーテル挿入困難の順に多かった。カテーテル留置やオムツ使用での排尿管理については、ほとんどが病院退院時に決められていたが、在宅医療に移行してからは他職種が介入するため、患者の家庭環境にあわせて適切な排尿管理方法を決定すべきである。
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