2020 Fiscal Year Research-status Report
マイノリティ高齢者のヘルスリテラシー支援のための地域包括ケアのモデル構築
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18K10513
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
相原 洋子 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 特命准教授 (90453414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 逸子 神戸市看護大学, 看護学部, 名誉教授 (30221071)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 言語的マイノリティ高齢者 / ヘルスリテラシー / 地域包括ケア / パブリックヘルスコミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
文化・言語の多様な高齢者のヘルスリテラシー支援の地域ケアシステムのモデル構築として、コミュニケーションサポーター(通訳者)の養成と活用を地域ケアの中で推進していくことを目指した研究である。2018年度の通訳場面における非参与観察、2019年度の地域包括支援センター職員を対象としたヘルスリテラシー理解、通訳活用意識の調査結果をもとに、2020年度は地域包括支援センター職員、通訳者との連携や通訳場面を想定したロールプレイを通した研修を行い、その効果を評価する予定であったが、緊急事態宣言の発令や新型コロナ感染者の増加に伴い対面型の研修が行えなくなり、研修方法についての計画の修正を行うこととなった。 結果、オンラインで地域ケアの専門職者や通訳者がヘルスリテラシーや言語的マイノリティ高齢者のコミュニケーションについて学修できるホームページ(地域保健情報学ホームページ)を開設した。また言語的マイノリティ高齢者がケアの意思決定を行ううえでの困難さをより詳細に探索していくため、日本人高齢者18人と外国人高齢者10人の個別インタビューを行い、健康の意思決定のプロセスについて比較を行った。個別インタビューの結果、言語的マイノリティ高齢者は、日本人と比べて医療情報が医師に頼らざるを得ない環境にあること、法制度上コミュニケーション支援が得られる中国残留邦人1世の場合においても、健康や医療の情報選択が通訳者に委ねられるために限定されるなど、意思決定支援において日本人以上の配慮が必要であることが把握された。 2020年度は当初の研究計画にあった研修の実施・評価が2020年度に行えなかったため、研究期間を1年間延長したうえで、2021年度にはオンライン上での研修実施と評価を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度に地域包括ケアセンター職員、通訳者、言語的マイノリティ高齢者によるロールプレイなどを通した研修を実施し、研修評価を行う予定であったが、不特定多数が集合した対面型の研修実施が困難となり、その代替案について計画修正を行うのに時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
地域保健情報学として、地域ケアにおけるコミュニケーション、言語マイノリティのヘルスリテラシーに関連した情報提供を行う、ホームページを開設した。ホームページを使用し、言語的マイノリティ高齢者の通訳活用や通訳者の育成にむけた研修をオンライン上で行いその評価を行っていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、当初の研究計画にあった研修の実施と研修評価が実施できず計画修正に時間を要したため、予算の執行もそれに伴い使用できなかった。また成果発表のための学会参加もオンラインで行ったため、当初予定していた旅費も使用する見込みがなくなったため、次年度の使用額が生じた。研究を1年延長したうえで、残額については成果発表として投稿論文(オープンアクセス)費用にあてる予定である(すでに論文投稿済み)。
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