2020 Fiscal Year Research-status Report
在宅医療処置トラブルの予防・対応型シミュレーション教材の開発とその評価
Project/Area Number |
18K10538
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
福山 由美 佐賀大学, 医学部, 准教授 (40529426)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 明子 畿央大学, 健康科学部, 研究員 (00633869)
新地 浩一 佐賀大学, 医学部, 教授 (30404164)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 訪問看護 / 新卒訪問看護師 / 看護技術 / 在宅看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、前年度に実施した全国訪問看護事業所への量的調査から、新卒訪問看護師にとって必要な看護技術を明確にし、シミュレーション教材の開発を行った。 調査対象である全国訪問看護事業所の訪問看護師の回答では、新卒訪問看護師が身につけておくべき医療技術項目に有意な差はなく(医療技術項目:気管カニューレ, 人工呼吸器, 在宅酸素療法, 中心静脈栄養, 褥瘡の処置, 点滴・静脈注射, 膀胱留置カテーテル, ストーマ, 経管栄養, 麻薬を用いた疼痛管理等)、看護師国家資格合格レベルの基本的な知識と技術さえ身につけておけば良いとの回答であった。しかしながら、患者の自宅で看護を提供するといった訪問看護にとって必要な知識・技術は、礼儀正しい態度、患者や家族に配慮するといった、社会人スキルの獲得を新卒訪問看護師に求めていた。いわゆる、経験豊富な訪問看護師は、礼儀正しいことが新卒訪問看護師にとって最も重要だとの回答であった。 そこで、シミュレーション教材の一つとして、患者の自宅訪問時における適切な礼儀作法を学習できる教材を開発した。なお、今後、看護教員や熟練訪問看護師が簡便にシミュレーション教材の作成ができるよう、研究代表者のホームページにサブドメインをつくり、そのドメイン内でシミュレーション教材の編集と公開が同時にできるシステムを開発した。 次年度は、新卒訪問看護師が直面している、看護学生時代に学習した知識と技術を訪問看護の現場に適用し実践できるよう、教育と現場の隙間を埋めるシミュレーション教材の開発を行っていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年初旬、シミュレーション教材を順次作成する予定であったが、コロナ禍の状況が続いており、シナリオの一部変更の必要性があったため(最小限の撮影人数等で作成可能なシナリオへ変更)。
|
Strategy for Future Research Activity |
熟練訪問看護師が新卒訪問看護師に求める在宅医療処置は、看護師国家試験合格レベルの基本的な知識と看護技術であり、現在の日本の看護師養成カリキュラムでほぼ対応できていた。しかしながら、新卒の訪問看護師は、臨床の文脈で理論的な知識やスキルを翻訳および適用する際に困難を経験していることが、これまでの本研究結果から示されている。そのため、看護教育で教授している内容と訪問看護の現場で実践されている技術・知識の差を明らかにしたシミュレーション教材開発の必要性が示された.
|
Causes of Carryover |
令和3年度まで延長し、シミュレーション教材のさらなる開発と評価を行う.次年度は、新卒訪問看護師が直面している、看護学生時代に学習した知識と技術を訪問看護の現場に適用し実践できるよう、教育と現場の隙間を埋めるシミュレーション教材の開発と評価を行っていく予定である。
|