2018 Fiscal Year Research-status Report
ラオス国少数民族の母子保健継続ケアの利用と関連する要因に関する介入研究
Project/Area Number |
18K10540
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
豊川 紀子 琉球大学, 医学部, 講師 (10650418)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 潤 琉球大学, 医学部, 教授 (70225514)
白井 こころ 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (80530211)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 母子保健 / 村落保健ボランティア / 継続ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、後発開発途上国であり、保健指標の改善も遅れているラオス国農村部の少数民族居住地域において、女性の村落保健ボランティアの活動による母子保健継続ケア利用の改善、母子保健継続ケアへの男性参加とソーシャルキャピタルの醸成との関連及びその要因を明らかにすることである。 初年度は、ラオス側の研究協力者と共に研究計画を作成し、琉球大学及びラオス側の研究機関の倫理審査の承認を受けた後、2019年3月にラオス語の無記名自記式質問紙票を用いた量的調査及びインタビュー調査を行った。対象地域は、ラオス国サワナケット県セポン郡で、少数民族の居住する農村地域である。 量的調査では、女性の村落保健ボランティアの活動地域と活動していない地域において、それぞれ19村122名、17村104名、合計226名の母親から調査の協力が得られた。調査内容は、社会経済的状況、母子保健継続ケアの利用状況とその知識、夫の協力、女性ボランティアの関わり、ソーシャルキャピタル、母親のメンタルヘルスから構成した。 質的調査では、女性の村落保健ボランティアの活動地域の母親10名、その夫9名にインタビューを行い、女性の村落保健ボランティア15名、男性の村落保健ボランティア15名にフォーカスグループインタビューを行った。母親及びその夫へのインタビュー内容は、女性及び男性の村落保健ボランティアから受けたサービスとその有用性、ボランティアに対する印象など、村落保健ボランティアへのインタビュー内容は、提供した保健活動内容、母子保健継続ケア利用を促進するための関わり、ボランティア活動への動機などについて回答が得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画時は、平成30年度にベースライン調査を行い、平成32年度に介入後の調査を行う予定であったが、プロジェクトが予定より早く進行したため、平成30年度の2月時点で、プロジェクト対象地域すべての村において、女性の村落保健ボランティアの活動が1年以上継続して実施された。そのため、平成30年度の3月に、プロジェクト活動地域と非活動地域の母親を対象に量的調査を行い、2グループ間の比較を行うこととした。また、併せてプロジェクト活動地域で村落保健ボランティアがどのような活動を行ったかについて、母親とその夫及び村落保健ボランティアにインタビュー調査を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、女性の村落保健ボランティアの活動による母子保健継続ケア利用の改善、母子保健継続ケアへの男性参加とソーシャルキャピタルの醸成との関連及びその要因を明らかにするため、量的調査についてはデータの入力、質的調査については、逐語録の作成、ラオス語から英語への翻訳を行った上で、データの分析を行い、必要時は追加のデータ収集調査を実施する予定である。その後、対象地域での研究結果の報告、今後の活動に関する議論を行い、活動の発展に貢献する。更に論文執筆、学会発表を行い、研究の結果を広く普及させる予定である。
|
Causes of Carryover |
物品費として、初年度は、データ入力及び分析まで行わなかったため、コンピューターを購入しなかったが、次年度は、データ入力及び分析を行うために、コンピューターを購入する計画である。また、論文執筆に当たり、文献や書籍の購入を行う予定である。 旅費としては、ラオスへの出張及び学会で発表するための国内出張を行う予定である。 人件費・謝金としては、初年度は論文執筆まで行わなかったため、英文校正謝金が生じなかったが、次年度は論文執筆を行うため、英文校正謝金などの支出を行う計画である。 その他については、初年度は論文投稿まで行わなかったため、論文投稿料などの支出を行わなかったが、次年度は、論文投稿や学会発表を行うため、論文投稿料や学会参加費などの支出を行う計画である。
|