2018 Fiscal Year Research-status Report
地域特性別にみたフレイル高齢者の実態と予防行動促進に向けた支援モデルの構築
Project/Area Number |
18K10545
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
根来 佐由美 大阪府立大学, 看護学研究科, 講師 (50508794)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フレイル / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、フレイル予防に必要な支援の方法や内容を明らかにし、地域特性を踏まえたフレイル予防の実践モデルを構築することである。地域特性に応じた身体的フレイル予防のための具体的な支援の方法や内容を検討することで地域特性に応じた実践モデルを構築しその普及を目指す。 平成30年度は、高齢者のフレイルに関する文献収集および文献検討を行うとともに、学会に参加し研究テーマに関連のある高齢者のフレイルに関連する研究の動向や現状についての知識を深めた。さらに、1市町村に着目し、自主サークルに所属する自立した高齢者158名のフレイルの実態を明らかにした。フレイルの該当者は26名(16.5%)、予備軍は82名(51.9%)であり、オーラルフレイル該当者は68名(43.0%)、予備軍は29名(18.4%)であった。年代とフレイルとの関連においては、後期高齢者の方がフレイル群の割合が高く(p=0.003)、特にフレイル予備軍の割合が高かった。対象者は自主グループサークル参加者であり、社会とのつながりがある高齢者であったが、予備軍も含めたフレイル該当者は全体の約6割以上を占め、先行研究の結果よりもその割合は高かった。特に年代を問わずオーラルフレイル該当者が多く、筋肉量低下に伴う転倒リスク者が認められたことから、今後はサークル活動において、口腔機能の向上や筋肉量増加を意識したかかわりを取り入れていく必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は3つの地域に着目し、居住地域別フレイル高齢者の抽出とその実態比較を行う予定であったが、データが得られた地域は1つのみであったため、次年度以降ペースを上げて行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度以降は引き続き、高齢化が顕著なニュータウン、都市部団地、山間地域のフレイル高齢者の実態を明らかにし、平成30年度の研究成果を踏まえた、居住地域別フレイル高齢者の運動継続に影響する要因の検討し、地域特性に応じた運動継続に必要な支援方法を明らかにし実践モデルを考案する予定である。また、平成30年度の研究成果は、地域看護学会で発表を予定している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、当初は3地域の調査実施する予定であったが、実施したのが1地域のみであったこと、事務補助員の人件費を計上していたが自身で作業を行ったことにより、予定していた額の物品費や人件費の執行にはいたらなかった点があげられる。次年度は事務補助員を雇用し、調査の準備や実施を行う予定である。
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