2021 Fiscal Year Research-status Report
地理学のGIS、空間疫学、ネットワーク分析の適用を試みた地域診断の開発
Project/Area Number |
18K10547
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
入江 安子 神戸大学, 保健学研究科, 保健学研究員 (80342195)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 悠 芸術文化観光専門職大学, 芸術文化・観光学部, 准教授 (50609534)
周藤 俊治 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (30420748)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 地域診断 / 空間疫学 / エスノグラフィー / 地理情報システム / パーソナルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に引き続き2021年度は、山間地域の高齢者のパーソナルネットワークの構造、及び形成過程を明らかにすることを目的に、家族同心球環境理論(version3.0)を用いたグラウンドゴルフ参加者のパーソナルネットワーク分析を予定していた。しかし、新型コロナ感染拡大に伴い、研究者によるデータ収集が困難になり、中断している状況である。 本年度は、これ迄のエスノグラフィ-による地域診断、地域の人々の文化、価値観が人々の健康活動に与えた影響についての分析結果をもとに、"culturally congruent health activities for the prevention of functional disabilities among older adults in Japan's forest communities" 論文を作成した。 上記の研究では、パーソナルネットワークが健康活動と密接につながり、また、パーソナルネットワークの形態は多様であることが明らかになった。従って、地域におけるパーソナルネットワークの構造は、従来の平面的なシングルレイヤーだけではなく、地域の空間をマルチレイヤ―で構成していると考えられる。そして、地域診断では、健康知識普及やその理解状況の把握だけではなく、人々のパーソナルネットワーク、人々の相互関係についても着眼し、その構造を検討する必要がある。 また、パーソナルネットワークが健康活動にもたらす潜在的影響について検討するために、Family Group Conference(FGC) Scoping Reviewにも取り組んだ。その結果、パーソナルネットワーク、人々の相互関係が "relational autonomy(関係的自律)”及び“resilience”の形成に関連があることも明らかになった。今後、健康活動に関連する"relational autonomy(関係的自律)”についても検討する予定である。 尚、FGCとは、当事者とその社会的ネットワークに着眼し、その人の問題に対して解決策を見つけることができるとする意思決定支援モデルのことである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、研究フィールドの対象者は平均83歳と高齢であり、近郊都市に住む家族との交流も控えている状況がある。この状況下では、研究者か研究依頼することは困難であると判断し、新型コロナウイルス感染流行が落ち着くまで経過を見ている。 また、研究者は状況把握のため研究フィールドと随時連絡をとっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、家族同心球環境理論を研究概念枠組みとしたパーソナルネットワーク研究を進捗させたいと考えている。 また、パーソナルネットワークの健康活動への潜在的影響について検討し、FGC(Family Group Conference)Scoping Reviewについても論文投稿も予定している。
|
Research Products
(3 results)