2018 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of nutrition and physical activity programs for workers of childhood cancer survivors, adolescent and young adult cancer survivors
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18K10556
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
福井 郁子 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (50759842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 藍津子 東京家政大学, 健康科学部, 講師 (70721851)
宇田川 孝子 名古屋経済大学, 人間生活科学部管理栄養学科, 准教授 (10406671)
川村 眞智子 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 血液内科, 副部長 (80450592)
阿部 吉樹 筑波大学, 医学医療系, 助教 (30630785)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小児がん経験者 / AYA世代のがん経験者 / 栄養と運動プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
小児がんの治癒率は現在7割以上であるが、45歳までに1つ以上の慢性疾患を持つ小児がん経験者は95.5%と報告され、多くの小児がん経験者が晩期合併症を抱えながら就労している現状である。また、AYA世代のがん経験者では進学および就職の時期に治療が重なり、共に就労支援の必要性が高いと言える。ガイドラインでは適正体重、運動継続、バランスの良い食事を紹介しているが、晩期合併症と生活習慣病の発生機序は異なり、より晩期合併症のリスクを理解し、管理していけるように生活習慣の行動変容を促すプログラムの意義は高い。 本研究の目的は、就労期にある小児がんとAYA世代のがん経験者が、晩期合併症に対応した運動と栄養に関する会場プログラムとウェブプログラムに参加することで、自ら晩期合併症の管理ができ、就労継続ができることである。 本研究は、晩期合併症を9つ(肥満・高脂血症/糖尿病/高血圧・心疾患/二次がん/肺疾患/認知機能障害/腎疾患/慢性疲労/骨粗鬆症・大腿骨骨頭壊死)に層別化し、それぞれの晩期合併症に効果のある運動メニューと栄養メニューをモジュール化することで、プログラムを構築する。5分程度の運動メニューの組み合わせと、心血管系・がんに効果がみられる魚(鮮魚と缶詰)を用いた料理を、会場プログラムとウェブプログラムにて実施する。これを介入群と対照群に分けて無作為化比較試験を行い、効果の継続性を検討する。 本年度は、運動と栄養に関する3回シリーズの会場プログラム(講義・運動・栄養の3部構成で2時間)の内容を評価し、さらに単発の会場プログラムを実施し、評価項目の選定を行った。並行して、ウェブプログラムをウェブ業者と開発し、通常版(データ入力用)と介入版(晩期合併症に対応した運動・栄養のプログラム)を現在作成中であり、スポーツインストラクターと管理栄養士に各メニュー作成を依頼している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、(1)小児がん経験者とAYA世代のがん経験者を対象とした運動と栄養に関する会場プログラム(3回シリーズ)の内容を評価した。会場プログラムは、講義・運動・栄養の3部構成(2時間)を8週間で3回実施予定であり、内容としては1つ1つのセッションの満足度は高いが、効果の継続性を評価するには評価項目を増やす必要があった。そのため、12月に単発の会場プログラムを実施し、評価項目の選定を行った。 (2)会場プログラムの効果を継続するためのウェブプログラムを、9月よりウェブ業者と開発しており、通常版(データ入力用)と介入版(晩期合併症に特化した運動メニューと栄養メニューを表示)を作成中である。ウェブプログラムのフォローアップ期間は8週間とし、毎週1回のデータ入力と晩期合併症に応じた運動メニューと栄養メニューを選択できる設定とした。晩期合併症(肥満・高脂血症/糖尿病/高血圧・心疾患/二次がん/肺疾患/認知機能障害/腎疾患/慢性疲労/骨粗鬆症・大腿骨骨頭壊死)を層別化した9つの中から選択すると、モジュール化された運動メニュー9種類(カロリー消費/脂肪燃焼/体幹トレーニング/自重筋トレ/呼吸法など)と栄養メニュー9種類(糖質コントロール/脂質コントロール/減塩/免疫力アップ/薬膳など)がフォローアップ期間中(8週間)に提供される。現在、スポーツインストラクターと管理栄養士にウェブプログラム用のメニュー作成を依頼し、順調に作成が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、前年度に引き続き、ウェブプログラムをウェブ業者と作成し、通常版ではデータ入力内容の選定、介入版では晩期合併症に対応した運動メニューと栄養メニューの集約を行っている。現在、スポーツインストラクター2名に運動メニューの動画撮影、管理栄養士4名に栄養メニューの写真撮影を依頼している。今秋にウェブプログラムの動作確認とデモ版のテストを行い、修正を経て、ウェブプログラムを完成させる予定である。ウェブプログラムの内容を小児科医、理学療法士、管理栄養士にスーパーバイズを受け、エビデンスの高い内容となるために修正を加える。 さらに、Prochaska J.O.の行動変容ステージモデルを活用し、より行動変容に効果のあるプログラム構築を目指す。また、小児がんとAYA世代のがん経験者を対象にした食事と運動に関する文献レビューを行う。 2020年度に、3回シリーズの会場プログラム(8週間)とウェブプログラム(8週間)を実施し、介入群と対照群に分けて無作為化比較試験を行い、効果の継続性を検討する。評価時期は①プログラム前(0週目)、②3回の会場プログラム終了後(8週目)、③Webプログラム終了8週目(24週目)の計3回とし、半年間の研究期間とする。対照群には、研究終了後に介入版のウェブプログラムを提供する。
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Causes of Carryover |
ウェブプログラムの作成は現在も継続しており、次年度はウェブプログラムの具体的な内容を加えるため、本年度よりも開発費が必要となる。さらにスポーツインストラクターと管理栄養士にウェブプログラム用のメニュー作成を依頼しており、8週間フォローアップするためには、9種類×2の計18種類の動きと料理メニューが必要となる。運動プログラムでは運動メニュー開発とビデオ撮影が必要となり、栄養プログラムではメニュー開発と写真撮影が必要となる。このような経費の増加を見越し、本年度の残金を次年度に繰り越すことで、次年度の予算に補填することとした。
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Research Products
(2 results)