2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K10558
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
白石 知子 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (60275154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮武 真生子 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (50593711)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 保健師 / 人材育成 / キャリア形成 / 中堅期 |
Outline of Annual Research Achievements |
行政保健師の現任教育は階層別の集合研修(Off-JT)と職場におけるOJTとで進められてきた。職場での保健師人材育成の支援体制として,プリセプターシップ,チューターシップ,メンターシップ等の導入が推奨されている。しかし新任期に比べ中堅期以降の研修受講率は低くなる傾向にある上に,後輩指導に特化したプログラムは極めて少ない。特に新任期保健師の指導の要となる中堅期保健師は,ライフプランの点からキャリア継続が困難となったり,ワークライフバランスの中で多様な役割を果たしながら後輩指導を担うため,職場内での実地指導者の確保や資質の向上が課題となっている。 本研究では,中堅期保健師の後輩指導に関する力量形成を支援するプログラムの開発を目的とし,2018年度は主に自治体によって策定された保健師人材育成ガイドライン等の収集および文献検討を行った。 自治体によって策定されWEB上で閲覧可能なガイドライン等を収集したところ,2016年に「保健師の人材育成計画策定ガイドライン」や「自治体保健師の標準的なキャリアラダー」が提示されてからは「保健師人材育成ガイドライン/マニュアル」のタイトルが増えていた。以前より策定していた自治体では「保健師現任教育マニュアル/ガイドライン」「保健師活動指針」の中での人材育成方針の改訂版を発行したところもあった。後輩指導については,標準的なキャリアラダーに基づきプリセプターを担うことやプリセプターへの支援という役割を位置付けたものから,プリセプター養成を組み込んだ体系的な研修や,プリセプターとしての指導マニュアルを有する自治体もあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画において,初年度は,中堅期保健師の後輩育成への関与の程度や指導の現状を把握するために,質問紙調査を実施する予定であった。しかし公開されている自治体の保健師人材育成計画において,後輩指導力の向上をはかるための支援や体制がどのように計画されているかを把握することに時間を要した。また「自治体保健師のキャリア形成支援事業」等が,各自治体における保健師人材育成計画の策定にどのような示唆を与えるのかを確認した上で,調査項目を再検討する必要があると考え,初年度内の調査の実施に至らなかったため「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は,当初計画で初年度に実施予定であった中堅期保健師に対する質問紙調査を実施する。対象の範囲を管理期まで広げ,キャリアラダーの到達状況を考慮しながら,職場における後輩指導の実態を分析するとともに,中堅期保健師の後輩指導に関する課題を検討する。さらに面接調査への協力が得られる自治体に,人材育成のための支援体制をヒアリングし,グッドプラクティスとしての要素を分析する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では,初年度に質問紙調査を実施するための印刷費,通信費,人件費等を予定していた。しかし自治体の保健師人材育成計画の動向把握と質問項目の検討に時間を要したため,年度内の調査実施に至らず未使用額が生じた。この質問紙調査は2019年度に実施するため,予算を次年度に繰り越し執行する予定である。
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