2022 Fiscal Year Research-status Report
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18K10558
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
白石 知子 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (60275154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮武 真生子 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (50593711)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 保健師 / 人材育成 / キャリア形成 / 中堅期 |
Outline of Annual Research Achievements |
行政保健師の現任教育は階層別の集合研修(Off-JT)と職場におけるOJTとで進められてきた。職場での保健師人材育成の支援体制としては、プリセプターシップ、チューターシップ、メンターシップ等の導入が推奨されている。しかし新任期に比べ中堅期以降の研修受講率は低くなる傾向にある上に、後輩指導に特化したプログラムは極めて少ない。特に新任期保健師の指導の要となる中堅期保健師は、ライフプランの点からキャリア継続が困難となったり、ワークライフバランスの中で多様な役割を果たしながら後輩指導を担うため、職場内での実地指導者の確保や資質の向上が課題となっている。 本研究の目的は、質問紙調査および面接調査を実施し、中堅期保健師の後輩指導に関する力量形成を支援するプログラムの開発であるが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、調査手段に遠隔会議システムを用いることについて今年度は検討した。これまでに2020年度のヒアリングからは、自治体独自のキャリアラダーの作成を進める中で、中堅期の多様性をラダーとして言語化すること自体に苦慮していたり、ジョブローテーションの在り方についても試行錯誤が続いていることがわかった。また、研究メンバーが所属する教育機関の看護基礎教育に参加協力している中堅期保健師等が、学部教育にかかわる経験について述べた内容を分析したところ、保健師教育課程の学内演習への参加経験は、学生指導における視点の獲得のみならず、後輩育成の指導方針を見出す自己研鑽の機会として有用であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初計画において、中堅期保健師の後輩育成への関与の程度や指導の現状を把握するために予定していた面接調査を、新型コロナウィルス感染症対策の下で実施するために遠隔会議システムの導入などを検討していたが、研究代表者の療養に伴いエフォートを達成できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症対応の中で、保健師人材育成の体制がこの数年で激変している自治体も少なくないため、行政保健師の新型コロナウィルス感染症対応の経験と後輩育成に関する調査内容との整合性を検討する。なお、2023年5月より新型コロナウイルス感染症は感染症法上の5類感染症に位置付けられるが、調査手段としては遠隔会議システムを用いる予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により調査の実施を見合わせてきたが、感染症法上の位置づけ変更後も、調査の実施には調査協力者にとって安全かつ簡便な方法の選定が望ましいため、遠隔会議システムとセキュリティ対策など当初計画とは異なる予算が発生する。また各施設への訪問を再開するため調査旅費が発生する。これら予算を次年度に繰り越し執行する予定である。
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