2019 Fiscal Year Research-status Report
在宅廃用症候群患者の生活行動獲得の基本となる端座位確立をめざした看護の構築
Project/Area Number |
18K10562
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
久保田 直子 北海道科学大学, 保健医療学部, 講師 (90738212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 裕子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (40336409)
宮田 久美子 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (60736099)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 在宅 / 廃用症候群 / 寝たきり / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は廃用症候群のある在宅療養者が、生活行動を再獲得するための基本となる端座位の確立を目指す基礎研究である。近年、廃用症候群のある患者が端座位の看護介入によって自発性が向上した報告があるが、その研究のほとんどが入院患者を対象としている。在宅療養において廃用症候群のある療養者が座位を確立することは、食事や排泄などの生活の自立の基礎となり、介護量の軽減となり得るため、療養者および家族の生活の質の向上に大きく貢献できると考える。 2019年度は前年度に引き続き廃用症候群のある在宅療養者に対する看護の実態を明らかにすることを目的としてアンケート調査を実施した。本研究における廃用症候群とは、筋萎縮や関節拘縮があり自力で起き上がることができない状態の者とした。アンケート調査については、ランダムに抽出した全国の訪問看護ステーション500施設のうち協力を得られた55施設に調査票を配布し、訪問看護師96人より回答を得た。実践されている看護は褥瘡予防や排便調整などの合併症予防とオムツ交換や口腔ケアなどの生活援助が主要となり、回復看護の選択率は低かった。重要と思う看護においても合併症予防が上位であった。このことより、在宅では療養者の現在の状態を維持することに重きを置き、状態の悪化を防ぐことで在宅生活の継続を目指していると考えられた。今後、回復看護の選択率が低かった要因を探り、実践可能な回復看護を検討する必要がある。また、廃用症候群のある在宅療養者への理想の看護とその看護が実践できない理由の自由記載については量的テキスト分析を行った。訪問看護師の記載における頻出後で一番多かったのは「家族」であった。廃用症候群のある療養者への在宅看護において、資源の限界がありながらも家族にとって負担のない看護の提供の構築が重要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度はアンケ―トのデータ分析と介入事例の情報収集が主要となり、廃用症候群のある在宅療養者への端座位介入まで着手することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理委員会での承認後、廃用症候群のある在宅療養者に対する端座位介入の有効性の検証を実施する。
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Causes of Carryover |
本研究の進捗が遅れていることから、データ収集や旅費、分析に必要な機器の支出が少なかった。それらの活動は2020年度に繰越す。そのため2020年度は旅費及びカメラやデータ保存のための記憶媒体の購入費が必要である。
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