2023 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of nursing care aiming to establish an edge sitting position as the basis for acquiring ADL in patients with disuse syndrome living at home
Project/Area Number |
18K10562
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
久保田 直子 北海道科学大学, 保健医療学部, 講師 (90738212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 裕子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (40336409)
宮田 久美子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (60736099)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 在宅 / 廃用症候群 / 寝たきり / 生活行動獲得 / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は廃用症候群のある療養者が、在宅において生活行動を再獲得するための基本となる端座位の確立をめざすことを目的としている。 2023年度は、前年度に引き続き症例をまとめた。床上以外の生活は困難と告げられ約7か月後に自宅に戻った療養者に対し、全身状態を観察した後、週3回の訪問看護の中で端座位をとることから開始した。介入2週間後には端座位保持が可能となり、端座位の方法について家族への指導を行った。その後、車椅子での食事や整容といった日常生活行動が可能となった。立位バランスの不安定さに対して端座位でのバランスボール踏みを導入し、介入1年後には療養者の希望であったトイレでの排便が可能となった。本症例より療養者の状態に合わせた端座位への段階的な介入を行うことで生活行動の獲得が実現できること、機能回復が困難とされている長期間の経過の中でも回復できることが確認された。 2018年より本研究に取り組み、関節拘縮や筋萎縮等にて自力で起き上がりができない療養者への訪問看護の実態や端座位時の座面の角度と下肢荷重量の関係、さらに実践症例から端座位の確立に向けた看護を検討した。在宅で生活している廃用症候群の療養者の端座位確立を目指すには、専門職者の介入が不可欠である。そのため、時間的な制約はあるが訪問看護の中でリハビリテーションを取り入れることが望ましい。介入の初期は、訪問看護師による「療養者が活動するための身体づくり」の実施とともに「生活行動獲得のための環境づくり」を行い、続いて「家族でも実施可能な端座位の指導」を行うことで、在宅という場であっても端座位が確立し、さらに生活行動を獲得できることが実践結果より示唆された。
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