2019 Fiscal Year Research-status Report
認知症ワーキングケアラーのエンパワメントを高める教育支援プログラムの開発と検証
Project/Area Number |
18K10563
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
坂梨 左織 福岡大学, 医学部, 講師 (20569644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合馬 慎二 福岡大学, 医学部, 講師 (00465717)
西尾 美登里 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 講師 (20761472)
藤田 君支 九州大学, 医学研究院, 教授 (80315209)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症 / ワーキングケアラー / 学習課題 / エンパワメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、認知症ワーキングケアラーのエンパワメントを高める教育支援プログラムを構築することである。令和元年度は、働きながら認知症の人を介護している、または介護経験のある家族介護者のエンパワメント向上のための学習課題を明らかにすることを目的に、合計18名の家族介護者に半構成的質問によるインタビューを行った。対象者をより幅広く集めるために、商業施設で開催する県主催の相談会の会場に研究への参加を呼び掛けるチラシを配架し、参加申し込みをした家族介護者に依頼した。対象者は、男性4名(22.2%)、女性14名(77.8%)であった。家族介護者の年齢は31歳から60歳(平均52.0歳)で、有職者が61.1%だった。認知症の人との関係は、娘が66.7%で最も多く、72.2%に同居家族がいた。介護期間は10年以上(44.4%)、介護度は要介護5(26.3%)が最も多かった。認知症の型はアルツハイマー型が57.8%と最も多かった。インタビュー時間は45分から150分で、平均時間は91.2分であった。現在、全対象者のインタビューデータの逐語録を作成した。逐語録を精読し、逐語録の内容と質問内容を照らし合わせながら気づきを書き留めた。そして逐語録から、エンパワメント向上のための学習課題を含む箇所を意味のあるまとまりで抜き出した。抜き出したデータを繰り返し読み解釈し記述した。次にカテゴリー化を行った。コードとデータを繰り返し照合し、コードごとにコード間の類似性と相違性について比較し分類した。現在、課題(下位)の集まりについて、その内容と特性を表す課題を命名中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビューと分析過程で、より幅広い対象者からデータを収集する必要があると判断し、商業施設で開催する県主催の相談会の会場に研究への参加を呼び掛けるチラシを配架した。また県外の対象者からデータ収集を行った。そのため、インタビュー期間を延長し、18名の対象者を確保することができた。もう1名の対象者から参加の承諾を得ていたが、感染症の問題から延期している。より多様な対象者を確保したことで、分析の精度が向上する可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
承諾を得ている対象者からのインタビューは、状況をみて実施する。現在、インタビューデータの分析中であるため論文を執筆し成果を投稿する。抽出された学習課題から、認知症ワーキングケアラーがエンパワメントするために必要な学習課題を特定し、支援プログラムの原案を作成する。
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Causes of Carryover |
データの分析過程において、学習課題の抽出のため、より幅広い対象者からインタビューを行い、分析結果の精度を向上させる必要性が生じた。そのため、第1段階を延長した。インタビューデータの増大に伴い、質的ソフトを購入し分析の補助とした。したがって、第2段階で必要となるアンケート収集の経費を使用しなかった。令和2年度は、第2段階のアンケート調査のために印刷料、送料として使用する。
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Research Products
(1 results)