2019 Fiscal Year Research-status Report
生活習慣病予防に関する保健指導受講者から家族への波及を意図した保健指導技法の開発
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18K10567
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
桐生 育恵 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (00448888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 由美 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (80235415)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生活習慣病予防 / 特定保健指導 / 配偶者 / 影響 / 変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、生活習慣病予防の保健指導である特定保健指導を取り上げ、保健指導を受けた者の家族への波及効果も意図した保健指導技法を開発することである。家族を「波及を受ける人」とし、「波及を受ける人」に着目した保健指導の波及プロセスを解明し、そこから保健指導技法を抽出し、保健指導技法の効果を検証する。 当該年度は、これまでの研究成果を学会誌に投稿するとともに、研究成果を現場で実践するための技法について検討し、現場の保健師等から意見を聴取した。これまでの研究成果から、配偶者で保健行動に好ましい変化があった者は、「保健指導を受けた者から健康情報を受け取る」「保健指導を受けた者の健康づくりに協力する」「保健指導を受けた者が保健行動に取り組む姿を静観する」「保健指導を受けた者の健康意識の変化に驚かされる」というような影響を受けていたことが明らかとなった。この影響を強化するための技法として、「保健指導を受けた者から配偶者への働きかけの促進」「配偶者を巻き込むような保健指導の行動目標の設定」「保健指導に参加していることの配偶者への意識づけ」等が考えられた。 上記の影響を強化するための技法について、現場で特定保健指導に従事する保健師等 計4施設7名に意見を聴取した。「配偶者の保健指導の参加も可能にしているので、意識づけにつながっているのではないか」「保健指導の際に『家族にも伝えてください』というような一言を付け加えるだけでも影響が変わってくると思う」等の意見が聞かれた。さらには、「今まで配偶者への影響を意識することがなかったため、影響を与える可能性があるとわかれば、保健指導従事者のモチベーションの向上にもつながる」という意見が聞かれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一段階(2018-2019年度)で予定していた面接調査は、終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
第二段階の研究に取り組む。第二段階では、特定保健指導を受けた者の家族への波及効果も意図した、保健指導技法を開発することを目的とし、以下の手順で行う。 ①研究成果に対して、保健指導従事者から意見を聴取し、さらに保健指導技法を抽出する。新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、対面での聞き取り以外にもオンライン等による方法も検討する。 ②特定保健指導従事者に対し、家族への波及効果も意図した保健指導技法について、質問紙調査を行う。結果を分析し、保健指導を受けた者に対する支援の中で、配偶者を含めた家族の健康に働きかける方法と、それに必要な教材を開発する。
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Causes of Carryover |
2018年度に調査がおおかた終了していたため、調査・分析に関する旅費、テープ起こし費用等である。 次年度はオンライン等による聞き取りと、質問紙調査を予定しているため、それに関する環境整備、統計分析ソフト等に使用する。
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