2019 Fiscal Year Research-status Report
高齢者虐待対応における息子・娘介護者の続柄や性差を考慮した支援・介入技術の開発
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18K10577
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Research Institution | Iwate University of Health and Medical Sciences |
Principal Investigator |
大越 扶貴 岩手保健医療大学, 看護学部, 教授 (90352632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
表 志津子 金沢大学, 保健学系, 教授 (10320904)
浦野 茂 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (80347830)
山本 翔太 三重県立看護大学, 看護学部, 助手 (00823965) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢者虐待 / 娘介護者 / 息子介護者 / 続柄 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、虐待対応における息子・娘介護者への続柄や性差を考慮した支援・介入技術およびその構造を明らかにする。今年度は、初年次に続き質的研究を用い介護を継続している息子・娘介護者の続柄や性差を踏まえた介護特性(介護負担や介護ストレスとその対処に焦点を当てる)を明らかにすることを目的とした。方法として被虐待者の8割弱が女性であるため、母-息子、母-娘を想定し①息子・娘介護者や介護者の性差に関する先行研究より介護等の特性を抽出し、それらを踏まえ研究者間で討議しインタビューガイドを作成した。②介護を継続している息子・娘介護者各10名程度を想定し、この要件に見合った介護者を地域包括支援センターおよび居宅介護支援事業所や訪問看護ステーションを通して紹介を得た。2020年度は娘4名(2019年度2名))、息子6名(2019年度1名)にインタビューを実施した。誰が介護を担うかについては、一人っ子の場合は、親が健康な時分より必然的に自分が看るという覚悟を決めていた。兄弟姉妹のいる場合、いずれの協力者も生活史の早い段階(高校)で、他の兄弟姉妹の状況(介護能力や経済力など)を踏まえ、自分が看ることが親の安定につながると確信し、自分が主たる介護者となる覚悟や必然性を意識していた。 息子・娘介護者の介護と仕事の両立では、「介護時間」の取得、労働時間の短縮、在宅ワークなどの工夫をしながら継続していた。仕事の継続は、生活の維持、介護サービスの維持、自分のアイデンティティの維持であった。しかしいずれも給料の減額、仕事の充実感の低下など、ストレスを感じていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新設大学ではあるが欠員2名であり、1年間補充は皆無であった。1人で領域の運営(講義・実習関連など)を担う状況が続いているため、大学業務に集中せざるを得なかった。また息子介護者および娘介護者の協力者確保が想像以上に困難を極め、協力者確保の手続きに終始した。
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Strategy for Future Research Activity |
やや遅れている調査を取り戻すための工夫(タイムマネジメント)をしつつ、昨年度実施したインタビュー結果の分析を実施する。そのうえで当初2年次の研究目的である高齢者虐待対応のエキスパートを対象に虐待者である息子・娘介護者のアセスメント方法と介入について性差や続柄等の特性を踏まえた具体的支援技術について明らかにするための調査を可能な限り実施する。
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Causes of Carryover |
領域2名の欠員状態とコロナ感染症が生じたことによる研究の遅滞のため。 コロナ感染症の状況にもよるが、研究遂行のためのタイムマネジメントを実施し、 研究遅滞の挽回を図りたい。
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