2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢者虐待対応における息子・娘介護者の続柄や性差を考慮した支援・介入技術の開発
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18K10577
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Research Institution | Iwate University of Health and Medical Sciences |
Principal Investigator |
大越 扶貴 岩手保健医療大学, 看護学部, 教授 (90352632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
表 志津子 金沢大学, 保健学系, 教授 (10320904)
浦野 茂 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (80347830)
山本 翔太 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (00823965) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 介護と仕事の両立 / 息子介護者 / 娘介護者 / 性差 / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者虐待対応における息子および娘介護者への続柄や性差を考慮した支援・介入技術およびその構造を明らかにすることを目的とした。 令和2年度は、令和元年に実施した介護を継続している息子および娘介護者のインタビュー調査結果(目的:介護負担や経済的問題など虐待に関連する状況を抱えながらも虐待に移行せず介護の継続を可能としている要因を明らかにする。対象者:介護と仕事の両立を継続している息子介護者40代、60代各1名、娘介護者50代1名、退職後パート就労で復帰した息子介護者40代、介護離職をした息子介護者50代、60代各1名、娘介護者60代1名の計7名)をもとに、日本公衆衛生学会においてオンライン発表を行った。 介護と仕事の両立の可否や両立上生じる困難は、1)働き盛りか、2)定年前後か、勤務形態変更後の収入の見通しなどが影響要因となっていた。いずれも母親の介護量と仕事のバランスを図りながら、経済的安定(生活の安定)を視野に入れ就労形態を調整していた。働き盛りでは、仕事や介護サービスを削っており、経済的ひっ迫を感じながら介護と仕事のぎりぎりの調整を図っていた。一方、定年(60歳)が近い、定年後(60歳以降)の継続雇用の場合は、経済的不安は少なく、母親の介護の量や自身の看たいという気持ちに応じ、早期退職をする、仕事の日数を減らすなどしていた。 結論として、息子・娘介護者の仕事と介護の両立では、働き盛りか、定年前後かといったどの時期に介護に入るのかでも困難の様相は異なり、働き盛りの介護と仕事の両立については多様な困難を抱えていた。しかしそれらを乗り越える力(レジリエンス)や仕事と介護を調整する力、人を頼る力がインタビュー対象者に備わっていたことが介護継続に繋がっていたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該領域では欠員状態が2年間継続し、教育や実習など大学業務を一手に担う必要性があり、研究を遂行することは非常に困難な状況にあった。 令和2年度はCOVID-19の感染拡大で県外移動も困難となり、本来実施予定であった専門職へのインタビュー調査等進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1年間の延長が認められたため、専門職へのインタビューはオンラインなど感染対策を行いながら工夫を図り実施したい。
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Causes of Carryover |
研究遂行が遅れていることにより計画的執行ができなかったため。次年度は勤務地からの近距離地でのインタビュー調査など可能な限り研究を遂行し計画的に助成金を執行する。
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