2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K10596
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
堀口 和子 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (30379953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 千枝 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (10635832)
久保田 真美 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (60759752) [Withdrawn]
岩田 昇 桐生大学, 医療保健学部, 教授 (80203389)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多重介護 / 家族介護者 / 支援方略 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、多重介護に関する文献レビューの投稿、多重介護を行っている家族介護者への面接調査の分析と投稿の準備、多重介護による家族介護の実態調査を実施した。概要は下記の通りである。 1.多重介護に関する文献レビュー:複数の家族員を介護する介護者の国内外文献をレビューし、研究知見と今後の課題を明らかにした。複数の家族員の介護は、複数の高齢者を介護する「多重介護」と育児(子の世話)と親の介護をする「ダブルケア」に大別された。多重介護に関する国内文献は存在せず、国外文献では介護と他の生活活動との葛藤による心身の負担が指摘されていたが、介護者や介護の詳細に関する記述は見られなかった。研究成果は学術雑誌で発表した。 2.多重介護を行っている家族介護者への面接調査:多重介護を行っている家族介護者の介護生活の困難と対応について質的データの分析を行った。多重介護者は、要介護者の体調の悪化や入院、通院の付き添い、あるいは、自身の体調不良や病気などによって、多重介護と自分の生活との両立に困難を生じていた。また、多重介護による経済的負担や心身疲労、時間の調整がうまくいかないことなどにストレスを生じていた。対応としては、職場の理解、家族との協力体制やサービス利用との組み合わせ、ストレスに対する対処などが明らかになった。 3.多重介護による家族介護者の実態調査:多重介護を行っている家族介護の実態を明らかにするため、全国から選出した多重介護を行っている主な介護者を対象に質問紙調査を実施した。その結果、155名の研究対象者から回答を得ることができた。その結果を分析している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、2021年度に多重介護を行っている家族介護者への面接調査の結果を学術雑誌に投稿し、多重介護による家族介護の実態調査の結果をまとめる予定であった。しかし、研究の2段階であった多重介護を行っている家族介護者である研究対象者の確保が困難であったことから質的分析が遅れ、3段階の多重介護による家族介護の実態調査の開始に影響した。また、コロナ禍であったことから、多重介護を行っている家族介護者への実態調査の実施を延期したことも進捗状況の遅延につながった理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、1.多重介護を行っている家族介護者への面接調査の結果を学会で発表し、学術雑誌に投稿する予定である。2.家族介護者の多重介護の実態調査の結果を分析し、多重介護を行っている家族介護者の属性、介護状況、介護を受けている要支援・要介護者の状態などの特徴を明らかにし、その研究成果を学会で発表し、学術雑誌に投稿する予定である。3.家族介護者の多重介護の実態結果をもとに、多重介護を行っている家族介護者への支援について、専門職にグループインタビューを実施する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた多重介護による家族介護の実態調査の結果を踏まえた専門職によるグループインタビューの実施が次年度に持ち越す結果となり、未使用額が生じることになった。2022年度の使用計画は、多重介護による家族介護者への支援について、専門職によるグループインタビューに対する謝金等を必要経費に充当する予定である。
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Research Products
(1 results)