2022 Fiscal Year Research-status Report
親の介護に直面する労働者の課題の明確化と包括的支援モデルの構築
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18K10602
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
津田 紫緒 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (00402082)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 労働者 / 介護 / 家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、親の介護(以下、親介護)に直面する労働者に焦点をあて、労働者の親介護に関する課題の明確化を行い、支援方策を検討することを目的としている。 2022年度は以下(1)~(3)を行った。 (1)新型コロナウイルス感染症(コロナ)の影響が遷延し、感染対策による介護資源の活用制限、就労環境変化も続く中で、調査計画の手続きと合わせて現状の課題の整理を継続した。感染拡大が続くなか、在宅勤務やサードプレイスでの就労といった就労形態の多様化が進む一方で、タスク管理・勤怠管理など体制整備が進む中で、より高い精度、成果が求められるようになり結果労働時間が長時間化している現状も確認された。さらに、コロナの収束の兆しとともに在宅勤務実施率が減少していることが確認され、コロナの感染対策に関連して急激に普及した雇用者主導の多様な働き方が今後どのように推移するかによって労働者の生活支援の在り方にも大きく影響することが推察された。 (2)高齢者の介護・医療などの需要が増大し、介護資源の枯渇が懸念される2025年を目前にし、感染症対策に介護資源利活用の制限が続くなかで労働者が介護に関わることへの影響や備えについて、既知研の整理を行った。仕事をしながら家族等の介護に従事する者は家族介護者の4割、約300万人になると見込まれ、仕事と介護に関する問題のさらなる顕在化が進むことが推察された。その支援充実化に向けて施策のギャップに陥りがちな親介護者への社会的包摂を前提とした取り組みが必要であることが示唆された。 (3)(1)、(2)の結果および今般の感染症の状況を踏まえ、本研究の具体的な計画の再検討を行った。調査対象を一部限局したうえで親介護に直面する労働者に焦点を当てながら調査実施に向けての準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該年度に親介護経験を有する労働者へのインタビュー調査の準備を進めたが介護者の大きく影響を及ぼす感染症対策の変動にともなう調査項目の吟味や整理、調査実施体制の整備に時間を要し、年度内の開始に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
遠隔による実施などの実効性のある実施方策の整備が整い開始に向けて手続きを進めている。再策定した調査計画のもと、予定していた親介護経験を有する労働者などへのインタビュー調査等を実施し、労働者の親介護支援ニーズの明確化を進める予定である。
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Causes of Carryover |
実施時期に変更が生じた調査の遂行に関する物品、調査補助にかかる人件費として使用する。
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