2023 Fiscal Year Annual Research Report
Supporting Workers Caring for Their Elderly Parents: A Comprehensive Approach
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18K10602
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
津田 紫緒 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (00402082)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 労働者 / 介護 / 家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、親の介護(以下、親介護)に直面する労働者に焦点をあて、親介護経験を有する労働者、親介護労働者に関わる職域・地域の担当者・専門職者等を対象とした調査を実施し、労働者の親介護に関する潜在・顕在ニーズおよび課題の明確化を行い、職域および地域における親の介護に直面する労働者の包括的支援方策を検討することを目的とした。 2023年度は再検討した計画に基づき親介護の経験のある労働者、親介護の経験のある労働者とその支援者として産業保健師、介護支援専門員を対象とした面接調査を実施した。親介護労働者の語りからは、多様な被介護者の状況、介護の経緯や内容があるなかで、医療、福祉等の制度に関する情報不足やコンフリクト、限られた時間のなかでの主・副介護者として対応選択などの課題が示唆された。同時に制約の多い状況の中で必要な情報や資源を模索し、専門職とのネットワークを形成するといった対応を行い、介護者としてのスキルを獲得している様子が示された。一方、産業保健師、介護支援専門員の面接調査結果からは支援の課題として、介護者の意向、所属組織における支援方針や情報共有体制などがあることが示唆された。これらの結果から、親の介護に直面する労働者は被介護者の状態もさることながら、自らの家族観や家族役割責務、療養・介助のスキルといった個人的側面、保健・福祉・介護に関連する諸制度といった社会的側面、自身が所属する職場の支援制度や風土といった職場的側面、および被介護者の病状や取り巻く公的・公的外介護体制といった被介護者的面と多様な側面におけるニーズがあることが示唆された。 これらのニーズを踏まえ、労働者の親介護に関する課題について当事者、支援者および制度面からの整理・明確化を行い、職域、地域における支援方策について検討した。
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