2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an effective nursing intervention model as a complementary and alternative therapy for elderly persons in need of care at home and their family caregivers.
Project/Area Number |
18K10607
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田渕 康子 佐賀大学, 医学部, 教授 (90382431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室屋 和子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (50299640)
松永 由理子 (明時由理子) 九州大学, 医学研究院, 講師 (50612074)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / 在宅療養要介護高齢者 / 睡眠・覚醒リズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、在宅で生活する認知症高齢者を対象に在宅での生活実態や睡眠・覚醒リズムの調査を予定していたが、調査対象者の体調の変化等により調査を実施できなかった。また、在宅サービスを提供している高齢者施設において、単発的に小規模のコロナ感染症集団感染が発生し、在宅サービスを利用している高齢者のリクルートが困難であった。加えて、研究者の体調不良も重なり、研究を遂行することができなかった。 研究期間全体では、睡眠・覚醒リズムの測定ができた、在宅療養中で認知機能が低下した高齢者では、平均総睡眠時間は4時間弱と短く、平均中途覚醒時間は3時間を超え、睡眠効率は32.5%と短かった。さらに、昼夜逆転、夜間不眠の症状も顕著にみられていた。対象者は、訪問診療、訪問看護、通所介護、在宅訪問服薬指導など多様なサービスを利用していたが、夜間の睡眠障害に対する効果が得られず、家族介護者は、疲弊している状態であった。 認知症高齢者や介護家族を対象にした、補完代替療法としてのアロマセラピーの効果に関するPubMedに掲載されている海外論文では、在宅で生活する認知症高齢者を対象にアロマセラピーを実施し、行動・心理症状((Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:以下BPSD)への影響を、血中メラトニン濃度などの客観的指標、タッチパネル式認知機能評価尺度、QOL尺度、質的評価など多様な評価を用い、効果の検証に取り組まれていたが、認知症高齢者に対する補完代替療法は、介入方法や評価方法に対する課題が残されていた。さらに、介護者への影響については、認知症高齢者に対する結果から、介護負担が軽減したと考察されている論文が多くかった。これらの研究動向からも、今後急増すると考えられる、在宅で療養する要介護高齢者に対する介入研究の検討が重要であると考える。
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