2018 Fiscal Year Research-status Report
地域母子保健における産後うつ予備群への予防的支援のためのアセスメントツールの開発
Project/Area Number |
18K10612
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
川下 菜穂子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (10733488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 比佐子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60295368)
岡崎 愉加 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (50224001)
赤松 恵美 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (30351943) [Withdrawn]
能町 しのぶ 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (40570487)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 産後うつ / EPDS / 退院後 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、妊産婦のメンタルヘルスは国内外で課題とされている。我が国ではスクリーニング法の一つとして「日本語版エジンバラ産後うつ病質問票(以下、EPDS)」を実施している。「EPDS」は9点以上が産後うつ病の可能性が高いと判断されるため、地域母子保健では9点以上の場合は継続支援ケースとして看護職は支援を行う。しかし9点未満の場合でも、今後産後うつ病が発症する可能性があると捉えた場合、市町村の看護職は継続支援を行っているのが現状である。看護職は、面接時のケースの特性や精神状態を即時に判断し、今後の支援の方向性を査定する必要があるが、9点未満の継続支援の判断基準が明らかになっていない。そのため看護職の感覚に委ねられ、この判断は看護職のキャリアやスキルによってばらつきが発生する可能性がある。そこで地域母子保健に従事する看護職が同様の視点で査定できるようなアセスメントツールの開発が必要と考えた。 本年度は研究1「地域母子保健に従事する看護職のEPDS 9点未満のケースに対する継続支援の実態調査」として、「EPDS」9点未満ではあるが、地域母子保健に従事する看護職が継続支援を必要と判断しているケースの実態を明らかにすることを目的に、無記名自記式質問紙調査を行う準備を進め、岡山県立大学倫理委員会に申請し承認を得た。研究対象者は全国の市町村において、母子の家庭訪問(新生児訪問事業、こんにちは赤ちゃん訪問事業等)や個別相談に1年以上従事している、保健師、助産師、看護師とし、本研究への協力に同意した者960名程度を予定している。 現在、質問紙調査配布に向けて準備を進め、2019年4月に科研会議の開催を予定している。また研究1と並行して、研究2「産後うつ病予備群に対しての看護職の視点(仮)」を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、本年度は研究1「地域母子保健に従事する看護職のEPDS 9点未満のケースに対する継続支援の実態調査」の質問紙調査の配布・回収まで予定していたが、文献検討に時間がかかったこと、研究代表者を含め研究者が所属する大学の所在地が大規模な自然災害に見舞われ混乱が生じたことなどから、今年度は倫理委員会承認までとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1「地域母子保健に従事する看護職のEPDS 9点未満のケースに対する継続支援の実態調査」は倫理委員会の承認を得ることができたので、早急に無記名自記式調査を開始し、集計及び分析を進めていく。分析の方向性については研究者間で検討していく。 同時進行で、研究2「産後うつ病予備群に対しての看護職の視点(仮)」を進めていく。研究2は、EPDS9点未満の産後うつ病予備群に対して看護職はどのような視点で予防的支援のためのアセスメントしていたのかを明らかにすることを目的に、6ー7人程度(計20人程度)によるフォーカス・グループ・インタビューを用いた質的研究を行っていく。研究対象者は大阪・兵庫・岡山の3か所の保健師を対象とし、調査はメンバー2人、研究補助員1人の計3人で行う予定である。 2月28-29日に大阪で開催されるThe 6th International Nursing Research Conference of World Academy of Nursing Scienceで研究成果を発表する予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進捗がやや遅れたために、研究1の無記名自記式質問紙調査の配布や回収、また国内外での研究成果を発表することができなかった。そのため次年度使用額が生じた。 次年度は本年度の予定を繰り越すため、次年度使用額を用いて質問紙印刷費や郵送料、研究協力者への謝礼品、学会参加費に充てていく。
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