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2019 Fiscal Year Research-status Report

高齢者にとって疲労の少ない水運搬方法の探索と新たな非常用給水袋などの開発

Research Project

Project/Area Number 18K10622
Research InstitutionTokyo University of Technology

Principal Investigator

日下 さと美 (上村さと美)  東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (30433618)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高橋 哲也  順天堂大学, 保健医療学部, 教授 (00461179)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords災害看護 / リハビリテーション / 地域医療
Outline of Annual Research Achievements

本研究は高齢者が必要量の水を少ない疲労で運搬できる非常用応急給水袋(以下、給水袋)の改良と開発を進めている。
昨年度は一般市販されている最小容量3Lの給水袋を地域在住高齢者が運搬した場合の疲労の程度を模擬環境下で検討した。その結果、運動習慣がある前期女性高齢者では運搬方法(手提げ、肩掛け、背負い)に関わらず疲労度(代謝当量)は中等度からやや強度であることを報告した。
本年度は給水袋の容量と水量の関係に注目し、水の動揺が疲労度や運搬時のバランスに与える影響を明らかにした。対象は本研究の趣旨と内容に同意が得られた前期女性高齢者30名とした。給水袋は10L、6L、3Lの3種に、水3Lを注水して給水袋内で水が動揺するように設定した。運搬方法は、手提げまたは背負いのいずれかと給水袋を持たずに運搬する条件を加えた。運搬時の疲労は相対的心拍数と自覚的運動強度を、バランスは体幹動揺軌跡長を測定した。
結果、給水袋の容量に関係なく疲労の程度は中等度程度の運動強度であった。またこれらは給水袋を持たずに運搬した場合と同様であった。しかし運搬途中の心拍数の変化では、10Lの給水袋を運搬した場合では3Lと6Lの給水袋を運搬したときよりも相対的心拍数は定常状態に到達する時間が遅れていた。一方、水の動揺がバランスに与える影響は背負いで認められ、給水袋の容量と距離の相互作用が体幹の水平面のバランスに影響していた(p<0.05)。
以上から高齢者が無理なく運搬できる水量は3Lであり、かつ運搬時に体幹の水平面の動揺を抑制する給水袋の開発を進めることにしたが、2019年度は豪雨災害による断水が各地で発生し、住民は給水袋のほかにペットボトルを使用していた。そのためより多くの高齢者に応用できるように、給水袋そのものの開発ではなく既存の給水袋やペットボトルを運搬する運搬具を開発することに計画を修正した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年2月末までに就労している女性高齢者26名から水運搬時の体幹動揺を抑制する運搬具を用いた測定への協力意思と参加可能な日時を確認し、3月に測定を予定していた。しかし、直前にCovid-19の感染拡大により高齢者を対象とする測定のため安全を考え、全測定を中止した。本測定では運搬具を用いて3Lの水を模擬環境下で運搬してもらい体幹動揺や身体の疲労度の測定のほか、改良要望点などのインタビューも予定していた。次年度は再度、これらの測定の日程と測定期間の調整を行い、測定を実施する。その結果から、高齢者が3Lの水を疲労を少なくして運搬できる運搬具に備えるべき点を明らかにする。

Strategy for Future Research Activity

最終年度は、
1.令和元年度の測定結果について論文を報告する。
2.既存の給水袋またはペットボトルを運搬する際の体幹水平面の動揺を抑制できる運搬具の改良と報告を進める。この際、地域在住の女性高齢者の協力も必要となる。運搬具の様式に関するインタビューや運搬した際の疲労度ならびに運搬時のバランスの測定はCovid-19 の感染拡大の状況に応じて計画を立案する。

Causes of Carryover

本年度に予定していた測定が中止となったことから、被験者(就労する女性高齢者)への謝礼ならびに測定機材に用いる消耗品購入代金が次年度への繰り越しとなった。次年度は中止した測定を再度計画をして実施する。その結果をもとに再々度、運搬具の製作をすすめるための資材購入を行う。その後、製作した給水袋運搬具の体幹動揺と疲労度の抑制効果を明らかにするために、一般市販されている給水袋の運搬もとりいれた比較測定を実施するため、謝礼と測定に必要な消耗品購入費とする。また関連学会にて報告するための費用とする。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020 2019

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 非常用給水袋運搬時の呼吸循環反応 -災害時の生活に備えて-2020

    • Author(s)
      日下さと美、忽那俊樹、本郷信二、大木正隆、高橋哲也
    • Journal Title

      心臓リハビリテーション

      Volume: 26 Pages: 1-6

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 非常用給水袋の容量および運搬方法とエネルギー消費量の関係-備える給水袋容量へのアドバイス-2019

    • Author(s)
      日下さと美
    • Organizer
      日本災害看護学会第21回年次大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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