2020 Fiscal Year Research-status Report
認知症の人の生活状況を評価する安心尺度の開発と信頼性・妥当性の検討
Project/Area Number |
18K10629
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
鈴木 千枝 兵庫医療大学, 看護学部, 講師 (10635832)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症 / 生活状況 / 安心 / 評価尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、認知症の人が安心して地域の中で生活できるよう、認知症の人の生活状況を評価する「安心尺度」を開発し、その信頼性・妥当性を検討することを目的とする。この「安心尺度」を実践の場で活用することにより、安心ではないと評価された項目について支援を提供することにより、認知症の人が安心して暮らせる環境を速やかに整えることができると考える。 当初、研究期間は3年間とし、第1段階(2018年度):「安心尺度」の原案作成、第2段階(2019年度):「安心尺度」の開発、第3段階(2020年度):「安心尺度」の有用性の検討を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により研究期間を4年間に延長した。2019年度は、認知症の人にとっての生活における安心の概念分析の結果から、認知症の人にとっての生活における安心とは、他者による認知症の人の理解があり、欲求の充足が保障され、心の乱れがなく、なごみ、平穏な暮らしが営めることと定義した。さらに、概念分析で抽出された「安心尺度」の項目をもとに質問紙(案)を作成し、当該分野の専門職に対してグループインタビューを実施することで洗練化を行った。次に、地域で生活されている軽度認知症の人を対象に予備調査を行い、本調査に用いる質問紙を完成させ、岡山大学大学院保健学研究科看護学分野倫理審査委員会の承認を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大は、大学教員活動(教育、研究、社会貢献)のすべてに影響を及ぼした。オンライン授業の導入に多くの時間を用し、研究活動に十分な時間を費やすことが困難であった。また、本研究の対象者が65歳以上の地域で生活されている軽度認知症の人であることから、十分な感染予防対策を講じていても、予備調査の対象者を紹介いただく医療機関および対象者から研究への協力を得ることが困難であり、予備調査完了までに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に引き続き、2021年度も新型コロナ感染症による研究活動への影響が予測される。本研究は、認知症疾患医療センターを通して対象者の紹介を得るため、医療がひっ迫している感染拡大地域を除くなどの配慮を行いながらの本調査実施を予定している。状況によっては、認知症疾患医療センターに代わる医療機関を検討することで対象者の確保に努め、本調査の完了、開発尺度の信頼性・妥当性の検討を実施することを計画している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、2020年度に予定していた予備調査・本調査を計画通りに実施することができず、次年度使用額が発生した。 2021年度の使用計画は、全国調査における郵送費、郵送準備やデータ入力に必要な人件費および研究発表のための旅費等に必要経費の充当を予定している。
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