2018 Fiscal Year Research-status Report
極および超低出生体重児の18か月頃の行動と幼児期後期の発達特徴との関連の検討
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18K10633
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Research Institution | Kobe Tokiwa Junior College |
Principal Investigator |
山岡 紀子 神戸常盤大学短期大学部, 看護学科通信制課程, 准教授 (90530725)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | CBCL1.5-5 / 極低出生体重児 / 超低出生体重児 |
Outline of Annual Research Achievements |
前回実施した研究の参加児(修正月齢1歳6か月から2歳までの極または 超低出生体重で生まれた、医学的合併症、先天性疾患および神経発達障害を有しない幼児)の保護者を対象に、児が3~5歳となった際に質問紙(CBCL1.5-5)調査を実施した。保護者宛てに郵送法により本研究について明示する文書を提示し、協力することに了解が得られた場合にCBCL1.5-5を返送していただいた。結果、13名のデータを収集することができた。 得られたデータはスコアリングソフトへ入力し、7つの症状尺度(情緒的反応、不安抑うつ、身体的訴え引きこもり、睡眠の問題、注意の問題、攻撃的行動)、2つの上位尺度(内向尺度、外向尺度)、総得点を分析した。総得点を見ると、13名中1名が臨床域、2名が境界域であった。内向尺度では、1名が臨床域、2名が境界域であった。外向尺度では、1名が境界域であった。症状尺度では、「注意の問題」を示した児は臨床域で1名、境界域で5名みられ、「引きこもり」で2名が臨床域、1名が境界域を呈した。また、「不安/抑うつ」で3名が境界域を呈し、「睡眠の問題」を示した児が境界域で2名みられた。 1歳半から2歳の時に実施したM-CHATの結果、通過した10名のうちCBCL のT得点が総得点、内向尺度、外向尺度のいずれも正常域であったのは8名で、1名が総得点と内向尺度が臨床域、外向尺度が境界域を示し、1名は総得点で境界域を呈した。M-CHAT不通過であった3名のうち、1名は総得点および内向尺度が境界域、1名は内向尺度が境界域、1名は総得点、内向尺度、外向尺度のいずれも正常域であった。 極および超低出生体重児は、幼児期早期に情緒や行動の問題が見られなくても後期以降に顕在化することがある一方、幼児期早期に問題が認められても後期には落ち着く場合も考えられることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度の研究実施計画として、1) データ収集・整理: VLBW・ELBW児約50名 ① CBCL1.5-5を用いた保護者への質問紙調査、②①のデータをコード化して入力、③②のデータをスコアリングソフトにて解析 2) これまでに得られた結果をまとめ、関連学会にて発表、を挙げた。ほとんど計画どおりに実施できたが、収集できたデータ数が13名分と少なかったため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
調査票の回収率の向上に努めながらデータ収集を継続し、より多くののデータを得られるように進めていく。得られたデータは、統計解析ソフトを利用して2群間比較や経時的変化等の解析をする。
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Causes of Carryover |
〈理由〉 購入予定のパソコンを今年度購入できなかったことが最大の理由である。加えて、書籍や消耗品の購入も少なかったために、次年度使用額が(B-A)が生じたと考える。 〈使用計画〉 次年度はパソコンを購入するとともに、今年度参加した米国公衆衛生学会よりも高額なアジア大洋州小児神経学会の参加費として使用する予定である。また、必要な書籍を購入するためにも使用したいと考える。
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Research Products
(3 results)