2020 Fiscal Year Research-status Report
極および超低出生体重児の18か月頃の行動と幼児期後期の発達特徴との関連の検討
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18K10633
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Research Institution | Kobe Tokiwa Junior College |
Principal Investigator |
山岡 紀子 神戸常盤大学短期大学部, 看護学科通信制課程, 准教授 (90530725)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CBCL1.5-5 / 極低出生体重児 / 超低出生体重児 |
Outline of Annual Research Achievements |
新たに得たデータを加え、対象児22名について、CBCLをを用いた情緒と行動の評価を分析した結果を学会にて発表することができた。 対象は、1歳半から2歳の時点で神経学的障害を持たずM-CHATによる発達評価を実施した3歳から5歳の極及び超低出生体重児22名(平均出生体重 894.8±331g、平均在胎週数27.7±3.0週)である。 1) M-CHAT陰性群15名のうち、CBCL項目 のT得点が内向・外向・症状尺度及び総得点のいずれも正常域であった児は7名、症状尺度のいずれかが臨床域または境界域であるものの内向・外向尺度及び総得点は正常域であった児は5名であった。3名が内向・外向尺度または総得点で臨床域または境界域を呈した。2) M-CHAT陽性群7名のうち、症状尺度のいずれかが臨床域または境界域であるものの内向・外向尺度及び総得点は正常域であった児は2名であった。5名が内向・外向尺度または総得点で臨床域または境界域を呈した。3) CBCL 項目の平均T得点は、総得点と全ての尺度でM-CHAT陽性群がM-CHAT陰性群よりも高値を示した。 1)~3)より、M-CHAT陽性の極及び超低出生体重児は、幼児期後期以降も情緒や行動の問題が継続することが多いが、M-CHATが陰性であっても後から問題が顕在化する場合があることが示唆された。 令和2年3月以降COVID-19の影響は続いたが、今年度は何とか5名の調査票を回収し、合計27名のデータを収集することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
①令和2年3月以降に予定していた調査票の送付は、COVID-19蔓延による休校・休園の影響に より、対象児の情緒や行動が平常時と異なる可能性や保護者の負担を考慮して、延期とした。その後もCOVID-19の影響は続き、データ収集活動の継続は困難な状況にある。 ②今年度は教育活動もCOVID-19の影響を大きく受けたため、研究活動に時間を費やすことが難しく、現在もその状態が続いている。
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Strategy for Future Research Activity |
連携研究者と検討した結果、これまでに収集した27名分のデータを分析し、論文作成に着手することとした。 27名のCBCL1.5-5による解析を進め、①M-CHAT陽性の極及び超低出生体重児は幼児期後期以降も情緒や行動の問題が継続することが多いのか、②M-CHATが陰性であっても極及び超低出生体重児は後から問題が顕在化する傾向が強いのか、について検討する論文の作成を進めていく。
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Causes of Carryover |
①旅費が発生しなかった:今年度は国際学会1回と国内学会1回で発表する予定であったが、国際学会(米国開催)は抄録採択通知が届いた後、突然rejectメールが届き、学会開催も現地⇒ハイブリッド⇒オンラインと変更され、結局参加しなかった。国内学会も最終的にオンライン開催となったため、現地へ出向くことがなかった。次年度もオンライン開催が主流であると考えられるので、引き続き旅費は発生しないもしくは少額にとどまると思われる。 ②研究活動時間が少なかった:先述したように、COVID-19の影響で研究活動自体が困難な1年であったため、必然的に支出も少なかった。次年度は、論文作成に係る書籍代や英語論文校閲費等に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)