2021 Fiscal Year Research-status Report
極および超低出生体重児の18か月頃の行動と幼児期後期の発達特徴との関連の検討
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18K10633
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Research Institution | Kobe Tokiwa Junior College |
Principal Investigator |
山岡 紀子 神戸常盤大学短期大学部, 看護学科通信制課程, 准教授 (90530725)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CBCL1.5-5 / 極低出生体重児 / 超低出生体重児 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は論文作成の準備を開始した。対象児28名(1歳半から2歳の時点で神経学的障害を持たずM-CHATによる発達評価を実施した3歳から5歳の極及び超低出生体重児)のデータの分析・解釈を進め、その経過について国際学会で示説発表を実施した。 1) M-CHAT陰性群21名のうち、CBCL項目 のT得点が内向・外向・症状尺度及び総得点のいずれも正常域であった児は11名、症状尺度のいずれかが臨床域または境界 域であるものの内向・外向尺度及び総得点は正常域であった児は6名であった。4名が内向・外向尺度または総得点で臨床域または境界域を呈した。 2) M-CHAT陽性群7名のうち、症状尺度のいずれかが臨床域または境界域であるものの内向・外向尺度及び総得点は正常域であった児は2名であった。5名が内向・外向尺度または総得点で臨床域または境界域を呈した。 3) 研究疑問のひとつである「低リスク極及び超低出生体重児も、将来神経発達症を発症したり、日常生活行動に問題を抱えたりすることが多いのだろうか」については、M-CHAT陽性の極及び超低出生体重児は幼児期後期以降も情緒や行動の問題が継続することが多いことが明らかになった。それと共に、M-CHATが陰性であっても後から問題が顕在化する場合があることが示唆された。 4) もうひとつの研究疑問「幼児期早期の行動観察結果から、幼児期後期以降の発達特徴は予見できるか?」については、今後さらに分析を進めた上で論文を作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の蔓延状況が昨年度よりも悪化し、教育活動はその対応に多大なる時間を費やすこととなった。その結果、昨年度以上に研究活動のための時間が縮小された。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の27名に加え新たに1名のデータを得られたため、全28名のデータの分析を進めていくこととする。 特に研究疑問のひとつである「幼児期早期の行動観察結果から、幼児期後期以降の発達特徴は予見できるか?」に関して、1歳半から2歳の時点で実施したM-CHATの発達評価項目の中で、3歳から5歳の時点で実施したCBCLの結果と関連している項目の有無を検討し、幼児期後期以降の情緒や行動の問題を早期発見するために幼児期早期に注目するべきポイントを考察して論文を作成していく予定である。
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Causes of Carryover |
①旅費が発生しなかった:今年度は国際学会への参加および発表を1回実施したが、オンライン開催であったため現地へ出向くことがなかった。次年度もオンライン開催が主流であると考えられるので、引き続き旅費は発生しないもしくは少額にとどまると思われる。 ②研究活動時間が少なかった:昨年度以上にCOVID-19の影響で研究活動が困難な1年であったため、必然的に支出も少なかった。次年度は、論文作成に係る文献取り寄せ費用や英語論文校閲費等に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)