2018 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護師による在宅高齢者のアドバンス・ケア・プランニング推進プログラムの開発
Project/Area Number |
18K10634
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
古瀬 みどり 山形大学, 医学部, 教授 (30302251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 まり子 山形大学, 医学部, 准教授 (40333984)
東海林 美幸 山形大学, 医学部, 助教 (90735911)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 訪問看護師 / アドバンス・ケア・プランニング / エンドオブライフ・ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
訪問看護師のアドバンス・ケア・プランニング(以下ACP)に対する認識および実施状況を明らかにするため全国調査を実施した。全国訪問看護事業協会会員の訪問看護ステーションから1100件を無作為抽出し、管理者宛に調査協力依頼文書および質問紙を郵送した。本研究参加に同意する看護師1名へ無記名の質問紙調査を依頼した。調査内容は、ステーションの概要、ACPの理解度・実施状況、ACPを実施した事例の概要である。宛先不明の返送が10件、261名の訪問看護師から質問紙の返送があった(回収率23.9%)。回答者は65.5%が所長で、訪問看護ステーションの開設年数は10年以上が77%であった。ACP理解度は「ほぼ理解している」「だいたい理解している」が65.4%であった。ACP実施状況では「ふだんから利用者本人に声をかけている」が33.6%、「入退院など病状に変化があったとき利用者に声をかけている」46.3%、「利用者本人から話があったとき行う」が9.3%、「利用者本人には声がかけづらいので家族に声をかける」が9.3%、「利用者本人、家族にも自分から声をかけることはない」が1.5%であった。また、ACPの機会は「たくさんある」「時々ある」が86.2%であった。ACPにかかわった利用者の主病名で多かったのが、末期がん94.2%であった。ACPを良かったと感じた理由は、利用者や家族の思いを聞き希望に沿うケアを提供できた、利用者が最期を家族と過ごせ家族・遺族から感謝の言葉があったが多くあげられた。一方、ACPを困難と感じた理由は、利用者の思いを聞くのが難しかった、利用者と家族もしくは家族間の意向が食い違っていたが多かった。ACPを推進するには、ACP本来の意義を理解できるような教育の場の確保と、倫理的課題として在宅医療・ケアチームで話し合いがもてるような土壌形成が必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り全国調査を実施した。今年度、調査結果を学会発表、論文投稿する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の趣旨を説明し同意が得られた訪問看護師に半構成的面接調査を実施する。ACP実践事例について、ACPが必要と判断した理由、ACPの経過、訪問看護ステーションスタッフやその他の在宅ケアスタッフの反応等について尋ねる。これまでの調査結果を踏まえ、訪問看護師が在宅療養高齢者のACP推進役として機能するためには、どのような介入が必要なのか、ACPに関する訪問看護師への教育内容と対話ガイドを検討する。
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Causes of Carryover |
平成30年度に未購入のソフトウエアライセンスおよび消耗品がある。平成31年度に購入し使用する予定である。
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