2020 Fiscal Year Annual Research Report
Characteristics and related factors of the circadian body surface temperature rhythm in elderly people who were hospitalized in rehabilitation facility.
Project/Area Number |
18K10638
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
丹 智絵子 神戸大学, 保健学研究科, 保健学研究員 (60588490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 英之 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (00294231)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 体表温度 / 日内リズム評価 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度は、加齢による体表温度の生理的変化を明らかにするため若年者、壮年者、高齢者の自由行動下におけるDPG(末梢-中枢皮膚温度の勾配[DPG; Distal-Proximal skin temperature Gradient])データの日内リズムを比較したが、加齢による変調は認められなかった。令和2年度は、リハビリテーション施設に入院中の高齢患者13名(平均年齢77.8±6.1歳)を対象にDPGデータについて周期回帰曲線を求め、中間値・振幅・位相時間を算出したのちに、F検定によりリズムの有意性を検討した。F検定の結果、全ての対象者の周期回帰曲線は有意なリズムを有しており、周期回帰曲線との一致率を示す重寄与率も0.70±0.19と高値であった。次に、高齢者が生活の場を移行した時の生活リズムの乱れに着目し、上記13名のうち6名に対し退院4~8週間後にも同様にDPG値を測定し日内リズムを算出し、入院中と退院後でこれらの日内変動に差異があるかどうかを検討した。その結果、入院前後で周期回帰曲線の有意率、重寄与率に差異は認められず、中間値、振幅、位相時間においても大きなリズムの乱れは認められなかった。 本研究において当初対象者として予定していた、車椅子で生活している高齢者やほぼベッド上で生活する高齢者は、活動量が極めて少なくサーカディアンリズムを保ちにくいことが推測されるが、新型コロナウイルスの感染拡大によりそのような高齢者を対象にすることは困難であった。しかしながら本研究を通して、リハビリテーションを十分に受け、規則正しい生活を送っている高齢者の体表温度日内リズムは十分に保たれており、生活環境の変化があっても大きく乱れることはないことが確認された。すなわち、高齢者におけるリハビリテーションは日常生活動作の維持だけでなく、生理的な日内リズムの維持にも寄与することが示唆された。
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