2018 Fiscal Year Research-status Report
幼児自身が回答する絵カード式QOL尺度の開発とその有効性の検証
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18K10648
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
岡本 光代 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 講師 (50458080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 博士研究員 (10300922)
森岡 郁晴 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (70264877)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | QOL / 幼児 / 文献検討 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、幼児が回答する絵カード式Qualityof Life(QOL)尺度の開発を目的としている。子どものQOLを測定することは、子どもの健康増進や心身の発達、家庭や地域での社会的適応を予測するために重要である。本研究では、幼児の生活状態を包括的に評価する「包括的QOL尺度」を検討している。先行研究では、保護者の代理回答による子どものQOL尺度が開発されているが、幼児が自己回答できるQOL尺度は未開発である。 研究初年度は、絵カード式QOLの原案について、質問項目や絵カードを改良するために、文献検討による情報収集、参与観察による幼児の日常生活状態を把握し、専門職間で検討を加えて絵カード式QOLの質問項目を再検討する計画を立てた。 文献検討の結果、幼少期からの養育環境が子どもの問題行動に影響し、養育が子どもの発達に一方的に影響するということではなく、子どもや親の特性、家族、社会的文脈の中で双方向的に影響し、子どもの心身の問題が生じることが明らかにされている。つまり、子どもの問題を早期に把握し解決するためには,Quality of Life (QOL)の観点から子どもの心身の健康を捉える必要性が確認できた。さらに、幼児のQOLの定義や、24項目の尺度原案を見直すため、幼児のQOLに関する文献や資料を収集した。しかし、幼児のQOL研究は乏しく、十分な資料を得ることができなかった。幼児の生活や発達など、QOLに関連する用語も含めて、引き続き検討しているところである。 また、開発者や共同研究者と幼児のQOLの概念や内容についてディスカッションし、尺度原案の修正について吟味しているが、統一した見解は得られていない。 今後、保育所や幼稚園で、幼児の生活の実態を把握しするため参与観察を予定している。そのため、協力施設に依頼し、関係機関との連携・調整を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究の進捗状況は、遅れている。その理由は、文献検討に時間を要し、保育所や幼稚園での参与観察が実施できなかったためである。引き続き、文献検索を実施し、尺度原案の開発者や共同研究者と検討し、原案を修正していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度中に、保育所、幼稚園での幼児の生活状況を参与観察し、文献検討した結果を併せて、開発者および心理、保育の専門家と尺度原案を修正する。また、絵カードを修正し、予備調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
開発者や共同研究者との打ち合わせは、電子メールや電話で実施したため、旅費が発生しなかった。また、本年度に購入を予定していたデスクトップパソコンや関連ソフト等は次年度に購入を見送ったため、余剰金が発生した。未使用の予算は、次年度に同じ用途で使用予定である。
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