2022 Fiscal Year Research-status Report
在宅死を可能にする基盤づくりの発展研究ー在宅ケア促進プログラムの展開と検証
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18K10650
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Research Institution | Iryo Sosei University |
Principal Investigator |
スーディ 神崎和代 医療創生大学, 国際看護学部, 教授 (40452990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹生 礼子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (80433431)
鹿内 あずさ 北海道文教大学, 人間科学部, 教授 (50382502)
川添 恵理子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (50550315)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 在宅療養・看取り / 啓発プログラム / 意思決定支援 / 過疎化地域 / 認知症 / 被災地(避難者) |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はCOVID-19の影響を受け研究調査の進捗に遅延を生じたため1年延期申請済(2023年末まで). 2022年度は以下の研究調査などを完了. ①千葉県S市において市民76名を対象とした「在宅療養・看取り啓発プログラム」の展開を実施.講座前(回収率72.4%)後(回収率75%)3か月後(回収率48.1%)であった。在宅療養・看取りについての窓口や訪問看護師の存在について知らなかったがプログラムによって分かったと答えた.自身のS地域での看取りの可能性には不安を示した.正しい情報が市民レベルに元気な時から届いていないことが示唆された. ②道内A市で30名を対象に「社会資源が限定的な地域で認知症があっても最期まで暮らせるか」を問いに住民フォーラムを実施(研究者らの先行調査で認知症が住民の最大の不安と示されていた認知症をキーワードにフォーラム開催).30名がフォーラムに参加.最新研究に基づく認知症研修会後に無記名アンケートを実施.Aで認知症になっても最期まで暮らしたいと75%が回答したが,実際に可能だと回答した参加者は61%で「認知症であることの情報共有して助け合える仕組みがあれば可能ではないか」と70%がが回答.他が認知症になったらサポートする意思があると100%が回答するも自身が認知症になったら知らせたくないと25%が回答.理由は「認知症を正しく理解していない人もいるので精神障がい者だと思われたくない」であった. 認知症そのものが未だ一般的にはStigmaを伴う病気であると推測された. ③F地での「多重被災を受けて止む無く遠方へ避難した後に故郷へ帰還した在宅療養者と主介護者を対象にした学官連携調査」を完了.結果を基にしたアセスメントシートを福島県F病院(被災地に位置する)で使用開始.調査研究結果を福島県F地で協力者・行政・医療関係者・地方紙代表を対象に報告会を開催.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の対象者の多くが地域住民や自治体であるため、2022年度もCOVID-19感染拡大防止策遵守の社会環境を受容し、又、対象者保護の観点から対面でのプログラム展開や対面インタビュー予定を変更・延期せざるを得ない場面があった. 例えば,複数での対面による意見交換会を個別インタビューに変更し,且,対象者が希望する日時や場所も変更したためにCOVID-19前の予定より遅延せざるを得なかった. 自治体の協力を得ての調査の場面では(S,F, A 地域)自治体の方針を受容した. S市の場合は4回の延期を余儀なくされた. 加えて,研究者らには大学教員の立場があり,学生の健康と安全を保障する立場から研究調査も慎重に,且,臨機応変に活動した.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は以下の方針の基,活動予定である. ①2022年度にCOVID-19のために延期となっている「意思決定支援・医療事前指示書に関する調査研究」を関東圏の小規模自治体の協力を得て実施予定 ②F地域での調査結果の発表 ③200小規模自治体(人口1万人以下)への在宅療養・看取り啓発プログラム(DVD)配布済のフィードバック(現時点では約10%回収)へのreminderを各自治体へ発信(目標は15%回収)及び分析終了と公表 ③道内小規模自治体で住民の協力を得て、2022年度調査結果を基に「社会資源が限定的でも最期まで療養・看取り可能な自助・互助」の仕組み案構築
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Causes of Carryover |
本研究調査は主に一般高齢者あ自治体が対象であるためCOVID-19感染拡大予防による活動自粛を余儀なくされた.対面による調査延期や複数を対象とする対象を個別対応とすることで工夫を重ねたが止む無く延期せざるを得ない状況が生じた.2023年度では ①A地域で社会資源が極少で認知症があっても最期まで住める自助・互助による仕組み創りの提案 ②分析結果の論文・学会での発表③ S地域での遅延している「在宅療養を可能にする意思決定支援」の講座開催と調査 ④ 配布済DVD(在宅療養・看取り啓発プログラム)のフィードバック最終グループ分の分析公表 ⑤国際学会での公表も視野に入れて検討している.
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Research Products
(7 results)