2019 Fiscal Year Research-status Report
未就園児の早期療育に向けた保護者の合意を導き出す実践プロセスと支援技術の明確化
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18K10653
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
江口 晶子 順天堂大学, 保健看護学部, 講師 (00339061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 眞知子 京都看護大学, 看護学部, 教授 (10320996)
竹中 香名子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 講師 (40733192)
岩清水 伴美 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (60516748)
長谷川 喜代美 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (90313949)
岩本 真弓 静岡県立大学, 看護学部, 助教 (00733776)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 発達障害児 / 未就園児 / 保護者支援 / 1歳6か月児健康診査 / 市町村保健師 |
Outline of Annual Research Achievements |
市町村保健師による1歳6か月児健診後の継続支援が困難な発達障害の特性をもつ子どもの保護者に対する支援技術(以下、「保護者支援技術」)を明らかにするため、第1段階として、公衆衛生看護学の専門家6名(以下、専門家」)を対象とするフォーカスグループインタビューを行い、4領域45項目からなる「保護者支援技術(原案)」を作成した。 第2段階として、「保護者支援技術(原案)」の実践における妥当性について、実践現場の専門家である市町保健師の意見を集約し合意を得ることをめざし、デルファイ調査を行った。具体的には、全国1,535市町の母子保健部門の管理者に、本調査の対象者の選定基準に該当する保健師1名の選出を依頼し,研究参加への同意が得られた者、第1回:475/1535人(回収率30.9%)、第2回:134/196人(68.4%)、第3回:128/134人(95.5%)を対象に計3回の質問紙調査を実施した。5段階リッカートスケールの「大いに妥当」「妥当」を同意とみなし、同意率は80%に設定した。第1回436人、第2回119人、第3回116人から有効回答を得た。結果の分析、修正、フィードバックを繰り返し,3回目で全項目が同意基準に達した(同意率85~100%)ため、本支援技術に対する保健師の合意を得たと判断した。【領域A:親との間のニーズのずれを読み解くための支援技術(11項目)】、【領域B:子どもと保護者の変化を小出しに引き出すための支援技術(11項目)】、【領域C:それまでの支援の方向性や内容の転換を図り,支援を次の段階へと進めるための支援技術(9項目)】、【領域D:親子にとって安心できる支え手になるための支援技術(14項目)】の4領域45項目で構成される「保護者支援技術」が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、2回の実施を予定していたデルファイ調査を、計3回実施したためやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
実践に「保護者技術」を適用する場合は、対象の多様な状況(context)や背景、対象との関係性等に応じた複合的な判断のもと、優先順位も含めて適切な技術を選択し、組み合わせて用いることになるが、今回、技術を用いる状況に応じた適用の適否や優先性までは言及できていない。したがって、熟練保健師を対象としたフォーカスグループインタビューを実施し、実践に「保護者支援技術」を適用した場合の適切性の検討を行い、内容のさらなる精緻化を図る。
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Causes of Carryover |
当初、計2回の実施を予定していたデルファイ調査を3回実施したため、2019年度に予定していたフォーカスグループインタビューを実施しなかったため、次年度使用額が生じた。 2020年は、フォーカスグループインタビューの実施、分析の他、研究成果の発表等を予定している。
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