2018 Fiscal Year Research-status Report
地域高齢者の互助共助育成のための家庭外共食プログラムの開発と介入検証
Project/Area Number |
18K10657
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
山之井 麻衣 東京医療保健大学, 医療保健学部, 講師 (10538151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 律江 横浜市立大学, 国際総合科学部(八景キャンパス), 准教授 (00397085)
阿部 桃子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (80347195)
谷口 新 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 客員研究員 (40445185)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 共食 / ソーシャルキャピタル / 居場所 / 共助 |
Outline of Annual Research Achievements |
<調査1>高齢者ケアにおいて地域包括ケアの考え方を国の施策より前に導入し、先進的地域事例を選定し、地域まちづくりに熟達した者が把握する市民活動に直接関わり主体的活動を支援する団体にヒアリングを行った。さらにコミュニティカフェ35か所の中から、高齢者に対する福祉的ケアの側面が強い運営事業者5カ所を対象に調査を行った。結果、共食に伴う概念の枠組みと社会関係資本が整理でき、人々の社会凝集性を引き出し、社会関係資本を構築するため、互助・共助と自助との距離を縮める位置づけの重要性や、公助を受けやすい環境の促進の必要性、そしてコミュニティカフェが個人近隣の関係性や地域全体の資源として有効に働くことがわかった。 <調査2>人口減少率と高齢化率が高く、交通インフラが限定されている郊外住宅地の計画団地全集会所27か所を対象とし、高齢者の活動拠点としての居場所は、自宅や職場以外で気楽に訪れることができ、個々人や他者との活動を通じて充足感や安心感を得ることができる場とした。まず、集会所運営管理者へのヒヤリング調査(2018年9~11月)にて、設備や活動環境等の集会所の実態把握をし、次いで質問紙調査(同年 11 ~12 月)で利用者を対象に、集会所へのイメージや他によく行く場所等と理由を尋ね、2段階の構造化したデータ収集をした。なお、調査は日本地域看護学会の倫理綱領に即して実施した。【結果】利用実態として集会所の個人利用は全体の69.6%(p=.056)で、予約不要や一時休憩等の気軽さを許容している環境整備は13.0%(p=.012)と高齢者の活動活性化が未整備であった。各集会所の課題については3項目に分類され(図表上部)、キッチンが整備されているにもかかわらず、共食の困難さを指摘するなど積極性や社会関係資本の阻害要因が確認された。開館・変則開館・閉館で数値化し開放度として算出した結果、稼働率との正規性が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
進捗状況の遅延理由は2点ある。まず、先行研究の分析を見直しその不足を補っており、その作業に時間を要したことから研究計画(調査フィールドの確保やその方法)の見直しが必要となった。次いで、職務のエフォートが当該年度の予想より大きくなり、研究に充てられる時間が減少した。現在、調査フィールドの確保を進めており、その他研究者間で話し合いを持ち取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)食環境に関する再分析および高齢者にとっての共食実態調査を早急に進め、評価指標を確定していく。 2)調査フィールドを確保し、高齢者への本調査を実行する。 3)共食資源の地域分散状態の把握を行う。
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Causes of Carryover |
調査指標のひとつである食環境と家庭外共食、栄養状態など先行研究のデータを再分析(共分散分析)し計画の見直しを行うため、2018年度は再分析するPCソフトを購入した。当該年度ではこれ以上の調査が実施できず計画した予算が活用できなかった。2019年度は再分析した結果をもとに、さらに高齢者の家庭外共食の実態調査と地域における家庭外共食の現場調査を実施し、評価指標を同定していく。
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