2019 Fiscal Year Research-status Report
バーチャルな森林環境におけるストレス軽減効果の検証
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18K10663
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
新谷 奈苗 和洋女子大学, 看護学部, 教授 (70461324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 啓子 四日市看護医療大学, 地域研究機構 産業看護研究センター, 研究員 (00225377)
金子 健彦 和洋女子大学, 家政学部, 教授 (40233879)
坂口 俊二 関西医療大学, 保健医療学部, 教授 (40249462)
丸上 輝剛 和洋女子大学, 看護学部, 講師 (40760012)
永岡 裕康 和洋女子大学, 看護学部, 講師 (80826694)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 労働者 / ストレス / 森林環境 / サーモグラフィ |
Outline of Annual Research Achievements |
必要と考えられる機器の購入を完了し、学生を対象とした事前実験を実施した。実施方法として、クレペリン検査による計算ストレス負荷をかけたうえでストレス反応を測定し、疑似森林環境に暴露させた後、再度ストレス反応を測定した。その結果、サーモグラフィによる体表面温度測定結果については顕著な上昇(ストレス反応軽減傾向)は見られなかったが、唾液アミラーゼの測定結果からはストレス反応軽減の効果が見られた。また被験者となった学生から、疑似森林環境に居ることで「落ち着く」「癒される」「眠くなる」といった声が聞かれ、感情・感覚としても、ストレス軽減効果があると考えられた。そのなかで「小鳥の声に癒される」「落ち葉の感覚が心地よい」といった意見があった一方、「水の流れる音が怖い」という意見も聞かれ、具体的な対応策の示唆を得ることができた。 また、本研究のベースとなるストレス反応の促進/緩衝要因について、従来から行っている質問紙調査の規模を拡大しつつ、継続している。その結果から「職業性ストレスを構成する要因の相互関連性」の論文を投稿、現在査読中である。また「Verification of the effect of hand massage on autonomic nervous system」「職業性ストレスを構成する要因の相互関連性の検討」「仕事満足感は職業性ストレスを軽減するか」「健康的な生活習慣によるストレス対処能力の向上への取り組み」等々の学会発表を行ってきた。 今後、体表面温度測定部位の精査等を実施、その結果を踏まえて実験方法を見直したうえで、労働者を対象にした実験に移る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
機器選定に時間を要し、機器の導入が遅れた。また実験環境として恒温室を手配していたが、恒温室保守工事とのスケジュール調整のため、学生を対象とした事前実験が遅れた。労働者を対象とした実験においては、実験時間を最小限に抑えながら効果を検証する必要がある。そのため、学生対象の事前実験結果を踏まえた手順の見直しを詳細に行っており、実施が遅くなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
学生に対して実施した研究結果、得られた知見を吟味し、労働者に対して実際に行う実験の実施手順の詳細な見直しを行っている。学生の意見からは、森林環境の映像や音響に関する検討を行っている。またストレス負荷のかけ方や、疑似森林環境への暴露前後に実施するストレス反応の測定方法等、労働者の時間をできるだけ消費しない方法の検討も必要となる。このような手順見直しを行ったうえで、労働者を対象とした実験に着手する予定である。 ただ、労働者に対する実験は、COVID-19の影響で変則的な勤務者が増えていることもあり、協力を得られにくい状況が続いている。感染状況が終息するのを待ち、労働者の安全が確保される状況になってから、本格的な実験を再開する。それまでは、過去の研究論文の精査、学生を対象とした実験結果の見直し等を実施する。
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Causes of Carryover |
労働者を対象とした実験が実施できなかったため、実験を行うために追加で必要な機器の購入、事業所までの交通費、謝金等への支出が遅れている。次年度は労働者を対象に実験を実施し、これらの費用を支出したうえで、データ入力への謝金や、成果発表のため学会への出張等の費用が必要となる。
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Research Products
(7 results)