2018 Fiscal Year Research-status Report
ラオス農村地域におけるSNSを活用したデジタル型健康教育モデルの開発
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18K10665
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
山本 加奈子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (30438080)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 健康教育 / デジタル / スマートフォン / ラオス / SNS |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、本研究の初年度として、主に、研究準備の期間にあてた。2016~2017年に行っていた事前調査の結果から、スマートフォンの使用状況を把握できていたが、その後、約2年経過していたため、さらに、現地でのスマートフォン使用状況の把握と、研究対象地域確定のために、現地で準備を行った。 2018年9月に約1週間現地に滞在し、調査対象国の県保健局ならびに、郡の保健センターと調整を行い、調査可能地域の視察をおこなった。事前調査を行った地域でもあり、村落のだいたいの状況は把握できていたが、今後の調査の実現可能性を確認し、調査開始の内諾を得た。 今年の得られた成果は以下の通りである。農村地域での高校生のスマートフォン使用率はほぼ100%であった。2年前の調査より、格段に使用率が上がっており、所有年齢が低年齢化していた。使用内容は、Facebook、What's up、We chat、LINEなどSocial Networking Service(SNS)の活用が主で、教育局のホームページから高校で使用されている教科書が無料でダウンロードできるようになっており、高校生には電子教科書が大いに使用されており、勉強の役に立っていた。また、親世代は、2年前の事前調査と変わらず、スマートフォンの所有は少なく、所有は、一部の教員や医療関係者や警察官など公務員。自営業者に限られており、農民の所有はほとんどなかった。そのため、子どものスマートフォンの使用についても関心が低かった。また、学校や家庭でのメディアリテラシーに関する教育も皆無であった。今後、これらの現状を鑑み、スマートフォンやSNSの適切な使用を一緒に学びつつ、より効果的な情報発信源として活用していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初、2018年の9月6日から準備のため約2週間渡航する予定であったが、台風21号による関西国際空港の被災で、出発が大幅に遅れ、調査可能期間が5日のみとなった。また予定がずれたことで、現地の祭りと重なるなどで、思うように調査が進まなかった。また、これまで継続的にサポートを頂いていた県保健局の担当者が人事異動になったため、研究へのサポートが得られにくく、ネゴシエーションに時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年9月、2019年12月~2020年1月、2020年3月に現地への渡航を予定している。渡航までに、関西医科大学のラオス人研究員の協力を得ながら、ラオス国家倫理委員会の倫理申請ならびに、県保健局への調査協力の依頼をおこなっていく。 本年度には、本格的にデータ収集を行う。介入前のベースライン調査を行うとともに、現地の高校生とともに、健康教育の動画教材の作成をすすめ、健康教育の実施に活かしていく。
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Causes of Carryover |
今年度は、関西国際空港の台風21号による被災により、出発が遅れたため、渡航期間が短くなり、調査におくれをとった。また、3月に予定していた渡航も、本務との調整がつかず、見送りとなったため、次年度使用額が発生した。2019年度は、この遅れを取り戻すために、より積極的に調査を継続していく。そのため、現地調査を予定より1回増やし、合計3回の渡航を目標としている。繰越金および、2019年度以降の申請額は、追加の渡航費として使用するほか、現地で予定している調査費用(謝金、現地交通費など)にあてる。また、調査をスムーズに進めるため、日本在住のラオス人に協力を得るための謝金とする。
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