2018 Fiscal Year Research-status Report
ピエゾセンサーを用いた嚥下機能評価法と嚥下リハ地域連携システムの確立
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18K10669
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木村 慎二 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (40361901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 誠 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00303131)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 摂食・嚥下機能評価 / ピエゾセンサー / 連携システム |
Outline of Annual Research Achievements |
【はじめに】日本は超高齢化社会をむかえて、摂食嚥下障害の患者が益々増加すると考えられる。その評価方法として、X線嚥下造影検査 (Videofluorography, VF)は嚥下関連器官の形態および液体・食物の同器官での 動態などを同時に診断できることから,摂食嚥下機能の評価法として,現在、最も信頼性が高く、有益な検査 となっている。しかし,高額な器機、造影剤による誤嚥性肺炎、検者・被験者の放射線被曝等の問題点がある。そこで、我々は,非侵襲的にベッドサイドで実施できる嚥下機能評価方法として、ピエゾフィルム(圧電素子)を頸部の皮膚に装着して,頸部の振動から嚥下機能を評価する方法(以下本法と記す)を考案し、すでに2015年に英文雑誌「Dysphagia」に報告した。 【目的】すでに報告した健常者の嚥下の際の舌骨移動時間の基準値をもとに,嚥下障害の病態(脳卒中、廃用症候群、開胸・開腹術後等)における舌骨移動時間の診断値の作成,さらに嚥下リハの際の治療評価への応用を目的としている。 さらに嚥下障害者の地域でのスムーズな診療を行うため、嚥下リハの地域連携システムの構築をまずは新潟市の一つの区で試行し、その後に新潟県全体の嚥下リハのスクリーニングが可能な施設情報、連携の際のパスウエイ(紹介ツール)、連携システム確立のための連携の会の発足を行い、嚥下障害患者の治療レベルの向上を図る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ピエゾセンサーを用いた摂食・嚥下機能評価の疾患群((脳卒中、廃用症候群、開胸・開腹術後等)に対する応用に関しては、診療システムの整備がまだ、不十分のため進んでいない。 しかしながら、摂食嚥下障害患者に対する地域連携システムの構築に関する研究に関しては進行している。研究協力者の張替徹による秋葉区における摂食嚥下機能評価・指導システムの構築と効果に関しては論文として、すでに報告している。 また、にいがた摂食嚥下ネットワーク第1回交流集会を2019年3月17日(日)に開催し、あきは食のサポートチーム、江南区摂食嚥下と口腔ケアを考える会、燕弥彦西蒲食支援ネットワーク、新潟エッセン、にいがた地域食支援ネット、にいがた西地区食と栄養サポートネット(INSネット)、新潟高齢者の栄養と摂食を支える会、Everyday食べる会などの発表を聴講し、意見交換を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、患者群(脳卒中20名、肺炎後の廃用症候群20名、開胸・開腹患者20名)を対象とした機能評価を行うための、摂食嚥下機能回復部との診療システムの整備を行う。 また、摂食嚥下障害患者に対する地域連携システムの構築に関して、前回の交流会での各団体より、代表者に集まってもらい、ワーキンググループを作成し、新潟大学病院リハ科と歯科の口腔リハビリ科が協力して、嚥下調整食の統一化、新潟市での連携システムのインターネットを用いた公表、またむすびあい手帳等を用いた連携方法を模索していく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)4月に支払がずれ込んだため。
(使用計画)人件費として執行予定。
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