2022 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of new exercise guidelines for patients with diabetic retinopathy that do not cause fundus haemorrhage.
Project/Area Number |
18K10674
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Research Institution | Tohto University |
Principal Investigator |
河江 敏広 東都大学, 幕張ヒューマンケア学部, 講師 (00598948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関川 清一 広島大学, 医系科学研究科(保), 准教授 (30363055)
野村 卓生 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (30423479)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 網膜症 / 有酸素運動 / レジスタンス運動 / 運動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は糖尿病網膜症患者に対して眼底出血を生じさせない新しい運動指針に確立である。まず、我々は、健常男性18例(年齢, 24.6 ± 2.7歳; BMI, 21.2 ± 1.1 kg/m2)に対して、有酸素運動時の運動強度が眼圧に影響を及ぼすか検証した。対象者に対して運動負荷試験を実施し、予測最大酸素摂取量を算出後、30%VO2、50%VO2、70%VO2の運動強度で20分間、自転車エルゴメータを用いた運動を実施した。眼圧は安静から運動5分毎、運動終了後に測定を行った。その結果、高強度のみで眼圧が低下する結果となった。眼圧の急激な低下は視神経に影響を及ぼすことも認められている。そのため、すでに網膜症を有している糖尿病患者においては高強度運動は避けるべきであると考えられる。また、糖尿病群12例(年齢,63.2 ± 2.7歳; BMI, 24.3 ± 3.4 kg/m2)を対象に低強度ならびに中強度の有酸素運動20分を実施した結果、どの強度においても眼圧の低下は認めなかった。そのため、低強度ならびに中等度の有酸素運動実施は網膜症を主体とした場合は視機能に影響を及ぼさないことが示唆された。一方で眼底血流については、有酸素運動を想定した7分間のリズミックハンドグリップ運動(1秒収縮、2秒弛緩)を異なる運動強度(25%MVCおよび40%MVC)で、先ほどと同様の健常群で実施した。その結果、両群ともに眼底血流の変化を認めなかった。また、糖尿病患者においても同様の結果を認めている。一方でレジスタンス運動を想定した等尺性運動試行(2分間収縮)を異なる運動強度(25%MVCおよび40%MVC)で実施した結果、運動中1分で眼底血流の増加を認めた。以上より、糖尿病網膜症を有する患者においては低および中強度の有酸素運動は安全に実施可能であるがレジスタンス運動においては眼底血流を増加させる恐れがあるため、注意が必要である。
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