2021 Fiscal Year Annual Research Report
Early load training and neuro rehabilitation by a robot after lower limbs amputation
Project/Area Number |
18K10675
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木村 浩彰 広島大学, 病院(医), 教授 (60363074)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 医療用ロボット / 下肢切断 / neurorehabilitation / 産学連携 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的:ロボットによる医療は次世代の試みであり、先進的な工業用ロボットを持つ日本が担うべき役割である。医療用ロボットHAL(Hybrid Assistive Limb医療用下肢タイプ)は、筋肉を動かす際の信号を読み取り装着者を支援するロボットである。本研究はHALを下肢切断者の早期リハビリテーションに導入し、HALによる急性期リハクリティカルパスを構築することである。 研究実施計画:HALは神経筋疾患の一部で臨床応用されており、下肢切断者に適応することは容易であると思われたが、4つの問題があった。1つはHALのレンタル料が高額で月40万円必要な事。2つは研究倫理が改正され、研究倫理だけでなく、機器の安全性も担保するようになった事。3つはHALを作製するサイバーダイン社が、本来の目的外の使用を認可しなかった事。4つはコロナ災禍で人に対する研究がほぼできなくなった事である。 研究実績:外傷による下腿切断者1名(54歳男性)に承諾書を得て、切断直後からHALによるリハビリテーションを行った。切断から義足装着まで5週かかったが、義足装着直後から独歩可能となり、2週間で自宅退院できた。しかし、その後の評価はコロナ災禍のため困難であった。 研究の有用性:下肢切断は国立NDBから人口10万人当り4.8人(年間6000人)発生している。世界的にもEUで7.4~41.4と日本より多く発症している。切断の7割は血行障害で、高齢者も多く、下肢切断から歩行不能となり社会的支援を必要とするようになる。世界的に下肢切断者の急性期リハは確立されておらず、HALロボットによるリハシステムは斬新で画期的であり、医療費削減だけでなく社会支援の額も減少できる可能性があり、本研究の意義は非常に大きかった。
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