2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel method of regenerative therapy on tissues associated with locomotion using M.leprae-induced stem cells and Schwann cells
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18K10693
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
真先 敏弘 帝京科学大学, 医学教育センター, 教授 (00585028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 史明 帝京大学, 医学部, 准教授 (40286993)
前島 洋 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (60314746)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 再生治療 / 幹細胞 / シュワン細胞 / 間葉系幹細胞 / 成長因子 / 血小板由来成長因子 / 血管再生 / 神経再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 一次培養マウスシュワン細胞(MSC)、Snai1導入シュワン細胞(Snai1-MSC)の分泌する組織再生関連成長因子の測定とそれに関連する遺伝子発現の検討:それぞれの培養上清を用いて、RayBio C-Series Mouse Growth Factor Array 3によって測定した。その結果、MSC, Snai1-MSCにおいてPDGF-AA IGF-BP3が分泌されていることが分かった。次いでPDGF, PDGF受容体、IGF-BP3遺伝子発現をRT-PCRによって検討した。その結果、MSC, Snai1-MSCともにPdgfa, Pdgfra, Pdgfb, Pdgfrb, Igfbp3すべてを発現していることが分かった。以上から、これらの細胞は、組織再生に中心的役割を果たすPDGF-AA, 骨・血管再生を促進するIGF-BP3を分泌するのみならず、PDGF系のautocrine作用により、自分自身を増殖させる作用がある可能性が示唆された。以上の結果は、これらのシュワン細胞系細胞がさまざまな組織再生の治療に応用できる可能性を示唆する。 2 シュワン細胞のGFP蛍光ラベル:移植実験に先立ち、MSCのGFP蛍光標識を行った。レンチウイルス(pLenti CMV GFP Hygro(654-4))を細胞に導入し、100%の細胞が蛍光顕微鏡で適度の蛍光を発することを確認した。なお、Snai1-MSC, pSLCのGFP標識はすでに終了している。 3 マウス皮膚損傷モデル:S100(シュワン細胞マーカー)、CD31(血管マーカー)、CPRG(感覚性軸索マーカー)の3種抗体(ab52642, Abcam; AF3628, R&D system; 1720-9007, BIO-RAD)を用いて、それぞれが皮膚のシュワン細胞、血管、軸索を特異的に染色することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まずML誘導幹細胞(pSLC)であるが、現在、エジンバラ大学のRambukkana教授が所有しているものを供与いただく予定であった。しかし輸入にあたって帝京大学からPCRによって細胞にMycobacterium lepraeが生存していないことを確認するなどの条件がつき、この条件をクリアすることに障害があり、まだ輸入できていない。この結果、pSLCに関する実験ができていない。またマウス皮膚損傷モデルについては、細胞移植実験をすでに開始しているが、大学院生の経験不足などにより、凍結切片作成から蛍光染色に至る過程に障害があり、鋭意反復実験中である。
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Strategy for Future Research Activity |
1 pSLCについて:Mycobacterium lepraeのPCR検出をできるだけ早期に成功させるなど、細胞の輸入の条件をできるだけクリアできるように努める。 2 細胞の分泌する成長因子につき、PDGF-AA, IGF-BP3については、定量的RT-PCRを行い、定量的測定を行う予定である。 3 マウス皮膚損傷モデルは、実験準備はほぼ終了したので、皮膚へのGFP標識細胞移植から蛍光染色に至る過程の反復実験を行い、できるだけ早く何らかの結果を出す予定である。蛍光染色の評価については、スペクトラム分析可能な共焦点レーザー顕微鏡が使用可能であるので、これを用いて細胞移植前後における特異的な蛍光の変化を定量的に分析することにより、シュワン細胞増殖、神経軸索再生、血管再生、結合組織再生の状態を定量的に検討する予定である。
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Causes of Carryover |
実験計画、特に皮膚損傷移植実験の進捗に障害があり、それに使用する試薬などの費用が予想より多くなり、一方、人件費が予想より少なかった、という理由で今年度使用額において予定との差額が発生し、その結果、上記金額だけ次年度使用額が生じた。
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Research Products
(3 results)