2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel method of regenerative therapy on tissues associated with locomotion using M.leprae-induced stem cells and Schwann cells
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18K10693
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
真先 敏弘 帝京科学大学, 医学教育センター, 教授 (00585028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 史明 帝京大学, 医学部, 准教授 (40286993)
前島 洋 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (60314746)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 再生医療 / シュワン細胞 / 皮膚再生 / PDGF / 細胞移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度はマウス皮膚損傷モデルに対するシュワン細胞移植実験において新しい知見を得ることができた。前年度、一次培養シュワン細胞にレンチウイルスを用いてGFP遺伝子を導入できたので、このGFP標識シュワン細胞をマウス皮膚損傷部位(背部)に1部位あたり1000万個程度移植した。移植後、マウスの行動に特に変化は認めなかった。移植1週後、移植部位をサンプリングし凍結標本を作製、クリオスタットにて凍結切片を作成し、S100およびp75(シュワン細胞マーカー)、CD31(血管)、CGRP(軸索マーカー)それぞれに対する特異抗体で染色し、細胞移植した皮膚としていない皮膚を比較した。その結果、次のような新しい知見を得た。①移植シュワン細胞は真皮深層に局在した。②移植シュワン細胞の周囲に多数のホスト由来細胞(GFP陰性)が集簇していた。③移植シュワン細胞の周囲に集簇した細胞の多くはS100, p75陽性であり、シュワン細胞系細胞が移植シュワン細胞周囲に集簇することが分かった。またCD31染色では移植皮膚においてやや染色が増加する傾向が見られたが、定量的解析によって有意差はなかった。CGRPは特異的染色を得るのが困難であり、軸索再生についての評価はできなかった。また損傷皮膚に視診上、表皮再生および体毛の再生が促進される傾向を認めたが、マウスのサンプル数が少数であったため定量的解析はできなかった。以上の結果からは、移植シュワン細胞が皮膚再生を促進することを示す明らかな証拠は得られなかったが、移植シュワン細胞がホスト由来シュワン細胞をリクルートすることが示唆された。シュワン細胞が皮膚再生に重要な役割を果たすPDGF-AAを分泌するという前年度の結果を合わせて考えれば、移植シュワン細胞がホスト由来細胞をリクルートすることによって皮膚再生を促進している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)